すい臓がんは、がんの中でも特に厄介ながんと言われています。

すい臓は、胃の裏側にあり、周りにある臓器に囲まれているため、一般的な検査では異常を見つけにくいからです。

そのため、発見されたときは、かなり進行してしまっていて、現代の最高医療技術で治療してもなかなか手に負えません。

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近年では、Macの創業者である、スティーブ・ジョブズさん、歌舞伎界の名優、坂東三津五郎さんが、すい臓がんで命を落としてしまいました。

しかし、すい臓がんも、ごく初期の段階に発見すれば、治療し治すことができます。

2013年、「すい臓がん」を早期に発見する画期的な方法を、米国に住む15歳の高校生ジャック・アンドレイカ君が発見したと話題になりました。

アンドレイカ君は、すい臓がんになると検出される8000種類のタンパク質を調査し、
①がんの初期段階からすべての患者において血中レベルが高くなる
②がんである場合のみ変化が見られる
という条件を満たしたタンパク質を発見したそうです。

このタンパク質は、わずか3円、5分間で判定することができるとか。検査の実用化は、2018年ころを目指しているようです。

NHK「ためしてガッテン」で紹介される、すい臓がんの自己判定法は、一般的な健康診断の血液検査の数値から推測できる方法のようです。

また、甘いものや紅茶で命拾いする方法、健康診断の見方の裏ワザなどを教えてくれましたので、健康診断を手元に置いて、しっかりチェックしてみましょう。

すい臓がん発見法 自己判定ガイドの放送内容です

医者の方に聞いたところ、最も危険ながんは「すい臓がん」だそうです。早期発見がほとんど難しく、すい臓がんになった人の95%は5年以内に亡くなっています。

<がんの5年生存率、前立腺がん93.8%、乳がん89.1%、子宮がん75.0%、大腸がん69.2%、胃がん63.3%、食道がん33.7%、肺がん29.7%、肝臓がん27.9%、すい臓7.0%>

すい臓は、人間ドックで行っている超音波診断では、ほとんど見ることはできません。また、すい炎は、胃の当たりが剣山でグリグリされるほど痛くなるのですが、すい臓がんはまったく自覚症状がなく痛くもありません。

しかし、高松康子さん(89)は、体の違和感を自分で察知し医者に伝え、すい臓がんを早期発見して治すことができました。

高松さんが、すい臓がんを早期で発見できたのは、高松さんが糖尿病だったためです。高松さんは、糖尿病の治療のため自分の生活をしっかり管理していたのすが、それにもかかわらず血糖値(HbA1c)が急激に上昇してしまいました。

これは絶対におかしいと、先生に申し出て、すい臓の検査を行うことになったり発見できたのです。

すい臓は食事をして血糖値が上がると、すい臓のベータ細胞がインスリンをだし、血糖値を下げます。しかし、初期のすい臓がんができると、すい臓の中の酸素を一気に消費してしまい、ベータ細胞が酸欠機能できなくなって血糖値が上がってしまいます。

糖尿病の人でもそうでない人でも、同じ状況が起こるため、自分の血糖値が上がるような自覚症状がないのに、血糖値(HbA1c)が上がる人は、すい臓がんの可能性が指摘されるそうです。

2013年アメリカの研究で、すい臓がんになった人の85%が、「がん発覚の数年前に血糖値の上昇があった」という報告がありました。

理由もないのに血糖値が上昇したら要注意

①食べ過ぎ・飲み過ぎの覚えがない
不摂生による体重の増加がないのに血糖値の急上昇があれば要注意

②生活環境の変化がない
住居や職場の変化など目立った影響によるストレスもないのに血糖値の急上昇があれば要注意

③糖尿病の家族歴がない
2親等以内で家族に糖尿病の患者がいないのに血糖値の急上昇があれば要注意(祖父母・父母・兄弟姉妹・子・孫)

年に1、2度の血糖値の測定をし、前回の検査結果と比べて急上昇していたら、医師に申し出てすい臓の検査を受けてください。尿糖や空腹時血糖値でもわかりますが、ヘモグロビンAワンシー(HbA1c)がより正確に判定できます。

すい臓がんで痛みがでないのは、このように高血糖状態になり、神経が傷ついてしまい痛みを感じにくくなるためだそうです。

理由もないのに血糖値の上昇があれば、消化器内科、消化器外科、肝胆膵内科など、膵臓の検査ができる医者に相談してください。(自分から言うことが大切です)

すいのう胞があるとすい臓がんになりやすい

すい臓に液体の溜まった袋があると、がんになりやすく、リスクは22倍に高まると言われています。市販のミルクティーを飲みながら超音波検査すると、すい臓の形が認識しやすく、のう胞を発見すしやすくなります。(ミルクティーを使用した超音波検査は臨床研究中で、一般の病院では検査できません)

MRCP(MR膵管胆管撮影)で検査

膵管胆管撮影できるMRIの場合、すい臓がんのできやすい膵管の形が鮮明に捉えられるので、初期のがんの9割を見つけることができます。検査は3割負担で9千円程度で行えます。

すい臓の精密検査を受ける目安

①理由もないのに血糖値が上昇
②超音波検査ですいのう胞
③アミラーゼ値は基準値超え

アミラーゼは、すい臓や唾液腺からでる酵素の一つです。一度でも上昇があれば、すい臓検査のできる医師に相談してください。(アミラーゼ検査は、人間ドックの検査項目に入っているところが多いそうです。)