悪性の脳腫瘍、悪性膠芽腫になってしまった長野に住む64歳の女性。診断から1年の生存率は50%という難病です。

彼女も余命1年を宣告されました。一度腫瘍の摘出手術をしたもののすぐに再発、放射線治療でも病状は悪化するばかりでした。

そのとき見つけたのはウイルス療法の臨床研究。東京大学医学研究所 藤堂具紀教授が研究をすすめています。

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がん脂肪だけで増えるウイルスを人工的につくって、それをがん細胞に感染させて、直接がん細胞を破壊する治療法だそうです。

元になっているウイルスは、唇などが膨れるヘルペスウイルス。頭に穴を開け、脳に直接注入します。

そうすると、わずか50時間ですべてのがん細胞が破壊されてしまいました。女性は、その治療を受けてから3年が経過、その後最再発はしていません。

藤堂先生は、脳外科医の常識では考えづらいことですが、ウイルスが何らかのきっかけになっていることは間違いないと語ります。

このヘルペスウイルスを使った治療は、ほぼすべての固形がんに効果があることが、動物実験で確認されているそうです。

このウイルス療法は、世界中で研究されており、米国では、皮膚がんの一種メラノーマに対する治療が、来年から始まるそうです。

現在、東京大学医科学研究所では、以下の3つのウイルス療法の臨床試験を行っているようです。

●実施されているウイルス療法臨床試験
・悪性脳腫瘍(膠芽腫)
・嗅神経芽細胞腫
・前立腺がん

ヘルペスウイルスを使った悪性脳腫瘍療法、ぜひ期待したいですね。