みんなの家庭の医学で紹介された「新型認知症の正体はうつ病性仮性認知症」はこちらの記事で紹介しております。
レビー小体型認知症とは
ある日突然に、「壁に虫がはっている」「そこに人が見える」など、幻覚や幻視などの症状が起こる人がいます。
このような症状は、第二の認知症と呼ばれる「レビー小体型認知症」の可能性があります。
レビー小体型認知症は、認知症の中ではアルツハイマー型認知症(50%)についで、第二位(20%)の患者数だそうです。
原因は、レビー小体という異常物質が、パーキンソン病と同じ中脳部分や大脳皮質にたまってしまうことから、発症するとされていますがなぜそうなるかは、まだ解明されていません。
老年期に発症し、男性は女性の2倍多いと報告され、推定80万人の患者さんがいるそうです。
認知症は、一般的に比較的身近な時期の記憶ができなくなりますが、レビー小体型認知症の場合には、幻覚や幻視の兆候がでてくることに大きな特徴があります。
また、体のこわばりや歩行障害などの運動障害、便秘や尿失禁、起立性低血圧などの自立神経障害を伴います。
この病気は、医師でも診断が難しく、パーキンソン病や精神病などと間違って治療をすると、症状を悪化させてしまいます。
レビー小体型認知症の見分け方と対策
2010年にようやくガイドラインが設定されたレビー小体型認知症。高齢の認知症の5人に1人が、このタイプの認知症と言われています。
レビー小体型認知症は、日本の医師、小阪憲司博士が今から35年前に発見しました。レビー小体型認知症は、正しく診断され適切な治療を受けられれば、症状を大きく改善することができるそうです。
しかし、アルツハイマー型と間違えられたり、気が付かないでいるとどんどん悪化してしまします。
その症状の違いは・・
●レビー小体型認知症の場合の症状
・近所を散歩中に道を忘れる、
・駅や病院に防止や傘を忘れる
・一人でトイレに行けない、
・夜中に妻の浮気を疑う
・家の中に不審者がいると通報するなど
●アルツハイマー型認知症の場合の症状
・物忘れ
・失語
・先行(日常動作ができない)
・興奮
・妄想
取材中のレビー小体型認知症の男性に突然、見えないところに、子供が4,5人現れたそうです。その時間はわずか10秒。
パーキンソン病を引き起こしている不要なタンパク質、レビー小体が大脳にでてくることによりおこる病気で、幻視と言う症状が現れます。
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型と違い海馬が縮小しないため記憶がしっかり残るため、幻視を絵にすることができます。
レビー小体は視覚情報を捉える後頭部と視覚情報に意味づけする、側頭部に多く溜まるため、その部分の脳が正常に働かなくなります。
レビー小体型認知症に気づくポイント
①人や虫がいると訴える、空中に手をのばす、壁に話しかける
②症状が急に現れては消える
③筋肉がこわばって動きが遅くなる(ころびやすくなる)
その他、うつ症状、便秘、大汗などの症状があります。
大きな寝言(レム睡眠行動障害)が兆候の場合もあるそうです。
レビー小体は取り除くことができませんが、幻視などの症状を和らげる薬があります。医療と介護の組み合わせで症状を改善していきます。
早期発見と適切な治療が改善のカギになります。統合失調症やうつ病などの向精神薬に過敏で、副作用が出やすいので注意が必要です。
この症状をよく知っているドクターが、認知症疾患医療センターや、地域包括支援センターのサポート医に相談してください。
家族にできること
・幻視を否定しないで受け入れる
(虫が見えるんだね)
・本人意外には見えないことを伝える
(お母さんには見えないんだって)
・幻視を見やすい環境を減らす
(虫、しみ、人形など見えないようにする)
・視覚以外へ注意をそらす
(おまじない手をたたく)
・好きな音楽をかける
・ネコを抱っこしてもらう
・洗濯物を一緒にたたむ
・散歩に誘いだす
・手や背中をさすりながら話をする
これらの中から本人に効果のある方法を、皆さん探して対処しているようです。
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