50代を過ぎれば、耳が多少遠くなるのはしょうがない・・私たちの頭のどこかで、そんな風に思っていますよね。

でも、実際耳の中に水が溜まったりして、耳が聞こえないのは、たまらなくストレスになってしまいます。

口を開いたり、ツバを飲み込んだり、鼻を摘んで息んでみたりとにかく気になってしょがなくなります。

おそらく耳の病気ってこんな感じになるんでしょうね。今回のためしてガッテンは、そんな耳にまつわる話しです。

耳のケア

実は、物忘れや集中力の低下には、隠れ難聴が原因となっていることがあるようです。

謎の耳鳴りがするという隠れ難聴は、わずか10秒の治療で改善してしまうそうです。

その病気とは、大人の中耳炎でしょうか。加齢が原因で起こる中耳炎に「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」という病気があります。

この病気は、耳管の働きが弱まり耳の中の鼓室という部分に滲出液が溜まってしまう病気です。

滲出液とは、やけどなどの時に染み出て水ぶくれになる液と同じ成分でできています。

この液がたまると、耳が塞がれたようになり、耳鳴りなどが起こるようになります。

通常は、抗生物質の投与で治りますが、鼓膜に穴をあけて水を出せば、瞬時になおります。

いずれにしても、耳が遠くなるのはイヤなもの。悪化すると本格的な難聴になる危険な病もあるので、しっかりチェックしておきたいですね。

隠れ難聴の人は中耳に水が溜まっているかも・・

こんな人は隠れ難聴の可能性があります。
・会議中に話を聞きもらす
・電車のアナウンスを聞きもらす
・自転車のベルを聞きもらす
・人との約束を聞きもらす

これらの症状は、いつもではなく何か別の雑音がある時にだけ、難聴になってしまうそうです。

理由は、片耳が聞こえない状態になっているためです。

人は、両耳に届く音の時差で雑音の中でも特定の音を聞き分けることができますが、片耳しか聞こえないと色々な音が一緒になってしまい、聞き分けることができません。

しかも、いつも片耳しか聞こえないのかというと、頭を左右斜め前に傾けた時だけ、聞こえなくなってしまうことがわかりました。

このような人は、耳の中に水が溜まっていて聞こえなくなっている可能性があります。

滲出性中耳炎とは・・

鼓膜の中の中耳には、老廃物の排出や鼓膜の保護のため少量の水が溜まっていて、通常は一定に保たれています。

水が貯まり過ぎると、あくびや飲み込みのとき耳管を通じて鼻に流れ落ちて排出されていきます。

しかし、耳管が開きにくくなり、中耳に水が溜まってしまう人がいます。

そうすると、頭を傾けた時に、中耳にたまった水が鼓膜の上に被さってしまい音が伝わりにくくなり、一時的な難聴が起こります。

このような症状を、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)といい、50歳以上で急増するそうです。

滲出性中耳炎は、痛みがないため気がつかないことが多いといいます。

・頭を傾けた時に聞きにくくなる
・耳づまり感
・耳ツーンが治らない

これらの症状がある人は、ぜひ耳鼻咽喉科で診察を受けてください。水を取り除くと、劇的に改善します。

悪魔の中耳炎・・好酸球性中耳炎

滲出性中耳炎と診断され、治療で一時的に回復するのですがまた、すぐに聞こえなくなってしまう人がいます。

このような人は、好酸球性中耳炎の可能性があります。

好酸球性中耳炎は、肺の中の好酸球が多く炎症を起こしてしまう、大人の喘息持ちの人が発症します。

中耳は気管支と同じ気道の一部なので、好酸球が肺と同じように活性化しやすい環境になっています。

中耳の中で活性化すると、炎症を起こし中耳が変形してしまい、最悪の場合には完全に耳を塞いで聴力を失ってしまいます。

治療には、ぜん息の治療として気管支だけにきくステロイドを使用、中耳には専用の点耳薬を使用して行います。

早期発見し治療を開始することで聴力低下を防げます。

好酸球性中耳炎に気づくには
①大人のぜんそく に加え
②耳はが遠くなった
③かゆい耳垂れ
がある人は、要注意です。

50歳以上で、耳が遠くなってきたら、歳のせいと思わず耳鼻咽喉科で大人の中耳炎のチェックをしてくださいとの事でした。