めまいの原因チャートで、原因不明とされた難解な病気の原因を究明する名医がいます。
めまいに悩む人はとても多く、その原因が分からない人は5人に1人いるそうです。
めまいと一言で言っても、いろいろなタイプのめまいがあります。まずは、自分のめまいがどのタイプであるかを把握すると良いですね。
めまいのタイプ
1.回転性めまい→グルグル回るような感覚
2.浮動性めまい→フワフワ体が浮くような感覚
3.動揺性めまい→ユラユラ揺れるような感覚
4.眼前暗黒発作と失神発作→目の前が真っ暗になるタイプ
5.一過性・反復性動揺視→ものが揺れて見える感覚
めまいの原因
1.耳からくるもの
2.脳からくるもの
3.血圧など全身からくるもの
あまり知られていませんが、
1.ライブやパチンコなど大音量が鳴り響く環境に長時間いた場合や
2.白髪染めやおしゃれ染めなどの毛染め液に含まれる「アニリン色素」は、脳に染み込みやすく、前庭小脳が影響されると目や耳のコントロールに支障が起こり、めまい・耳鳴りなどが現れることがあります。
めまいの原因の中には、聞きなれない話もありますね。
私など、何十年も白髪染めをし続けているので、いつ白髪染めが原因のめまいが起こってもおかしくありません。
今回のみんなの家庭の医学では、多岐にわたるめまいの原因をチャートで究明しました。普段からめまいで悩んでいる人はとても参考になりましたね。
番組で紹介されためまい原因チャートを駆使した診断結果
このチャートを駆使してめまいの原因を追究していくのは、奈良県立医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 准教授 山中敏彰先生です。
めまいの原因は多岐にわたるため、段階的に識別していく必要があります。そのために、先生は、診断の流れをフローチャートと言った識別の流れにそって、そのチャートを頭に浮かべながら紐解いていきます。
今回番組で紹介された女性は、初めはゆっくりした回転するめまいを感じ、その後は、頭を動かしただけで起こるめまいに苦しんでいました。女性は、初めの病院で、良性発作性頭位めまい症と診断されました。
良性発作性頭位めまい症の薬を飲み続けるものの、めまいはひどくなる一方で、ほとんど寝たきりの生活になってしまいました。
そこで、奈良県立医科大学付属病院の山中敏彰先生の診断を仰ぐことに。
先生はチャートを駆使して、一般的なめまいの原因を1つ1つ潰しながら、本当の原因を追究していきます。
質問1 どんなめまいが起こりますか?
答え まるで大きな洗濯機の中に放り込まれたみたいです。
質問2 そのめまいはどれくらい続きますか?
答え 最初の頃は10秒位、今は1分近く
質問3 手足のしびれやしゃべりにくくなることは?
答え ありません
質問4 意識がなくなったりしたことは?
答え そこまでの状態はありません
質問5 動悸・息切れ・胸が痛くなったことは?
答え ありません
質問6 耳づまり・耳鳴り・聞こえづらさは?
答え いえ、良く聞こえます
ここで、「眼振検査」で頭を上下にふる検査を行い、その結果、良性発作性頭位めまい症の診断はなくなりました。
質問7 冷え性や発汗はあるか?
答え 特になりです
質問8 ストレスや悩みはあるか?
答え 元々はなかった
質問9 新聞の文字が見えづらくなった?
答え 老眼が進んで物が見えづらくなったような気がする
質問10 具体的には?
答え 物が二重に見えたり、ぼやけたりする
ここで、ある病気の可能性が浮かび上がります。
質問11 飲み込みづらい・舌を噛む・味が分かりづらい?
答え 料理の味付けが濃くなったと言われた
ここで、再び「眼振検査」で、普段はやらない頭を左右にふる検査をする
先生が着目したのは、この3つ
①物が二重に見え、ぼやける
②料理の味付けが濃くなった
③頭を左右に振ると目が不規則に動く
ここで、本当の原因が究明されました。女性の病は、「椎骨脳底動脈循環器不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)」でした。
椎骨脳底動脈は、頭の後ろ側にあり、脳幹に血液をおくる重要な血管です。
「椎骨脳底動脈循環器不全」とは、椎骨脳底動脈硬化により血管が詰まってしまい脳に血液がいかなくなってしまう病です。
正常な人と椎骨脳底動脈循環器不全の人の脳です。
血管が詰まることで、脳幹に血液が行かず、平衡感覚の神経に不具合が起こり、頭を動かすとめまいが起こっていました。
この病は、放っておくと脳梗塞を起こす可能性もあるめまいです。上記のような症状と共にめまいがなかなか治まらない方は、一度専門の病院で診察を受けると良いですね。