中高年世代を悩ます、耳鳴り。いつも、耳の中で鳴り響く「キーン」という音に悩まされている方は、なんと300万人もいるそうです、
耳鳴りには、耳の病気の他、脳の病気、精神的なものが潜んでいる場合もあり、原因を調べてもなかなかわかりません。
耳鳴りの「キーン」という音は、他の人には聴こえない音で、実際には音として存在している音ではありません。では、なぜ聞こえてくるのか・・・長い間不明だった耳鳴りのメカニズムがついにわかったそうです。
そのキーポイントとなるのが、脳の「視床」と呼ばれる部分です。視床は、脳の中心部あたりに存在し、嗅覚を除きいた、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ伝える需要な役目を果たしています。
この視床に問題があると耳鳴りが起こることが明らかになってきました。つまり、耳鳴りの原因は耳ではなく、脳にあったということになります。耳鳴りが耳鼻咽喉科でなかなか治らなかった理由は、どうもこのあたりにありそうですね。
NHK放送「ためしてガッテン」では、耳鳴りのメカニズムと最新の治療法について詳しく説明してくました。脳にあることをすると耳鳴りの症状が改善するそうです。
耳鳴りを治す方法があれば、耳鳴りに悩むおじいちゃんやおばあちゃんにとって、本当に朗報です。耳年齢のチェック法もあるので、ご自身でもチェックしてみてくださいね。
ためしてガッテンで紹介していた内容
耳鳴りを経験したことのある人は多いと思いますが、ほとんどの人は、短い時間でいつの間にか聴こえなくなっています。しかし、24時間鳴りっぱなしで、夜はまったく眠れない人もいます。その数なんと300万人。
考えられる原因として、筋肉の炎症、耳の炎症、自律神経、身体のゆがみ、ストレスなどが上げられ色々な治療が行われてきました。
しかし、耳鳴りの治療法を発見したらノーベル賞と言われるほど、耳鳴りを治すのは難しいとされてきたそうです。
耳鳴りを経験したことのない人でも、耳鳴りを起こすことができます。それは、無音状態の部屋に入ること。そうすると、約8割の人に耳鳴りが起こるそうです。
実は、耳鳴りを起こしている原因が、この無音であることが最新の研究でわかってきたそうです。
音は、30代、40代、50代と年齢を重ねるごとに聴こえる音域が狭くなって、高音域がどんどん聴こえなくなってきます。
耳から聴こえる音を管理しているのは、脳の中の視床という部分なのですが、高音域が聴こえなってくると、なんとか聴こえるようにしようと音の感度をどんどん上げてしまいます。
その結果、脳の中の電気の流れで起こる雑音を増幅してしまい、耳鳴りとして発生させてしまっているそうです。つまり、耳鳴りとは脳が勝手につくりだしてしまっていた音だったのです。
ということは、聴こえなくなった音の領域を補完してあげれば、視床の増幅も戻り耳鳴りも止むことになります。それを実現してくれるのが「補聴器」です。
個人に合わせて、聴こえない音域をさがし、その部分を補聴器で増幅させてあげます。そうすると視床の感度が元に戻り、耳鳴りをおさえることができることがわかりました。
実際、耳鳴りに長年苦しんでいた男性は、この補聴器による治療により、耳鳴りがほとんどなくなったそうです。
補聴器による治療のポイント
・補聴器相談医のいる病院へ
・価格は1つ10万円程度(貸出のあるところも)
・できるだけ長い時間つける
「耳鳴りがひどくなるのではないか」「病気が隠れているのではないか」という不安は、より耳鳴りを悪化させてしまいます。また、耳鳴りのメカニズムを理解するだけで、改善する人もいるそうです。
静寂を避けることもポイントとなります。夜耳鳴りがおこる人は、寝る時にテレビやラジオの音を流して寝ると、耳鳴りがおこるのを防ぐことができるそうです。
ほかにもいろいろな治療法があるので、耳鳴りに悩んでいる方は、一度最寄りの耳鼻咽喉科に相談してください。
毎日の耳掃除で難聴に
耳掃除は気持ちいいし、いつもクリアに聴こえる感じがするので、綿棒で毎日コチョコチョ掃除している人は多いですよね。
この毎日の耳掃除で、難聴を起こしている方が多いそうです。それは、耳垢栓塞(じこうせんそく)による難聴です。簡単にいうと耳垢が固まってしまい聴きづらくなってしまった状態です。
耳垢は、耳の皮膚でできており、鼓膜付近にあったものが3週間かけて、耳の外まで押し出され剥がれ落ちたものです。
綿棒を使って深くまで押し込んでいると、逆に耳垢を中に押し込んで固めてしまうことになってしまうのです。
正しい耳そうじの仕方
やり方 触ると敏感に感じるところの手前までをなでるように掃除(奥まで押し込まない)
頻度 1ヶ月に1回程度
道具 カサカサタイプ 耳かき
しっとりタイプ 綿棒
音が聴きづらい人は、耳垢栓塞(じこうせんそく)かもしれませんので、一度耳鼻咽喉科で診断を受けてみてください。それから、耳掃除はほどほどに・・。