グループ・サウンズ全盛の1960年代、コンサートで女性が失神してしまい大きな話題になってましたよね。その当時は子供だったため、音楽を聞きにいっているのに、なぜに失神するのかとても不思議でした。
呼吸もそこそこに「キャー・・」と絶叫しているうちに脳が酸欠状態をおこして、失神していたんですね。最近では、中高生の間で「失神ゲーム」というのが流行っていて、その危険な遊びが社会問題となっているそうです。
失神まではいかないけど、身近なものに「立ちくらみ」があります。立ちくらみも失神と同じ、脳の酸欠状態でおこります。急に立ち上がると、脳血管の収縮拡張がうまくいかず、脳に充分な血液がいかず酸欠状態になってしまいます。
また、更年期やストレス、ダイエットなどでホルモンバランスが崩れて、自律神経が崩れ起こることもあります。私たち更年期年代になると、めまい、立ちくらみ、貧血が日常的に頻繁におこるため、あまり重要視しない傾向にあります。
しかし、立ちくらみに「がん」や「心臓病」など重大な病気が隠れていることがあるので、注意が必要だそうです。H27年2月4日放送 NHK「ためしてガッテン」では、立ちくらみや失神、危険な病気の見分け方に関する情報を教えてくれました。
40代以上の働き盛りに、じっと立っているだけで失神を起こす人が増えているそうですから、しっかりチェックしてみてください。
立ちくらみや失神ぐせ
立ちくらみのする人は、なんと60%もいるそうです。
立くらみは脳に血液が十分に行かず酸素不足になっておこります。
人は起き上がったり立ち上がったりすると、血液が下へ向かって流れます。
そうすると、血液が脳から下に下がってしまい酸素不足が起きてしまいます。
それをふせぐため、血管の周りに巻き付いている交感神経が働き、血管を縮めて血液を上へと戻してくれます。
そのため日常生活には支障なく生活を送ることができます。
しかし、色々な原因でその仕組みがうまく機能しないため、立ちくらみが起こっていることがあるので注意が必要です。
がんが原因の立ちくらみ・・便の色を見てチェック
ガンなどで胃や腸に腫瘍ができ慢性的な出血が続いていると、貧血になり立ちくらみを起こしてしまいます。
原因は、大腸がんだったそうです。大腸がんには、その他にも疲れやすい、息ぎれしやすいなどの症状も起こります。
立ちくらみが大腸がんかどうかをチェックするには、便の色をみること。便の色がイカスミのように黒っぽいときや、赤ワインのように赤っぽいときは、ぜひ大腸がんの検査を受けてください。
心原性失神突然死の恐れ・・脈を見る
この病気の場合には、気がついたら倒れているということが起こります。脳の検査も異常なし、貧血もありません。
原因は心臓でした。最悪の場合には、死んでしまうそうです。
心臓の上の心房のほうは動きますが、下の心室が動かなくなったため脳に血液が行かなくなって貧血を起こしていたのでした。これは徐脈性不整脈といい、1分間の脈拍が60回未満の状態です。
心原性失神を見分けるポイント
・横になっていても失神が起こる
・動悸
・脈に3秒以上の空白がある
これらの症状がある人は、急いで循環器内科へ行って検査をうけてください。
治療には、心臓ペースメーカーを使って行います。手術は1~2時間程度で終了。電池交換は5年~10年に一度でいいそうです。
失神性立ちくらみ
思春期と同じ失神性の立ちくらみが40代、50代に多く発生して社会問題となっています。脳のMRI検査をしても異常なし、しかし同じ症状を繰り返してしまいます。
産業医科大学 阿部治彦先生によると、ストレスにより交感神経と迷走神経がうまく機能しなくなって起こるそうです。
交感神経は血管を収縮させ、迷走神経は血管を拡張させます。交感神経の動きに対して迷走神経が過剰に反応してしまうことが原因だそうです。
正式には、血管迷走神経性失神というそうです。立ち続けたり座り続けたり、動いてないときにおこりやすいといいます。
治療法
①頭からお尻を壁に付けて立つ
②かかとを壁から15cm離す
③足に力を入れない
目標は1回30分を1日2回
最初は数分からはじめ、気分が悪くなったらすぐにやめます。これを毎日行うことで2、3週間で30分立てるようになります。立っている間はテレビや本を見ていてもOK。足だけは動かさないようにしてください。
そのほかの立ちくらみの防ぎ方 交感神経が緊張し血圧が上昇し頭に血液があがります。
①手をクロスさせ、引っ張ります。
②足をクロスさせ、両足の力をぐっといれます。