いざ、家族が目の前で倒れると、オロオロするばかりでなかなか冷静に対処できないケースが多いのではないでしょうか。
倒れた原因が、心臓なのか脳なのか、単なる貧血なのか、それによっても対処の仕方が違ってきますよね。AEDは、どんな時に使えば良いのか、とっさの判断が難しい場合もあります。
倒れたときに、救急車が来るまでにやるべきこと、やってはいけないことが分かっていれば、救命率もぐ~んとアップしそうです。
自分だけはそんな場面に遭遇しない・・・と思っていても、「倒れる」ことは意外に多いそうです。実際、失神だけでも生涯に3人に1人が経験すると言われていますので、「倒れる」場面に遭遇することは、案外多いと思われます。
倒れる原因の多くは、心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血など命に関わる病気も多く、実際、病院に運ばれる失神患者の30%以上が心臓病が原因で、そのうち20%は一年後に命を落とすと言う結果があります。
そこで、すぐにでも実践できる救急救命の新知識を、ためしてガッテンで放送していましたので、その内容をご紹介します。
倒れた原因の見極め方から、対処法までをマスターすれば、万が一の時も慌てることなく、冷静に対処でき、命を助けることができます。
心臓が止まっているかわからない時AEDを使うのか
心臓が止まっているか呼吸しているか分からないときでも、AEDは使います。
AEDは、セットすると心電図をチェックし、AEDの必要性を判断し、音声で伝えてくれます。
AEDは呼吸がなければ、一刻も早く使うことが大切です。確認する方法は、胸やお腹の上下運動を斜め上から確認すること。市役所、公民館、駅などAEDの備えてあるところを確認しておくと安心です。
救急車を呼んで待っている時間はどうする?
- おじいちゃんが頭をおさえて倒れた
- パパが胸を押さえて倒れた
- 2人とも呼吸はしている
頭を押さえて倒れると・・
血管が詰まる脳梗塞、脳血管が切れる脳出血、くも膜下出血が疑われます。
→待っている間にすることは、横向きに寝かせることです。
胸を押さえて倒れると・・
心臓の血管が詰まる心筋梗塞、血管が狭くなる狭心症があります。
→待っている間にすることは、同じく横向きに寝かせることです。
どんな病気でも窒息は、即アウトになりますので、最優先は、嘔吐による窒息を防ぐための気道確保です。
横向きの仕方
回復体位という姿勢をとらせることで気道確保します。
- 顎の下に手を入れる
- 片膝を前にだして姿勢を安定させる
緊急時やっていいこと、わるいこと
人が倒れていて意識がないので体を軽く揺すり声をかけ続けた。これはしてはいけないことです。
倒れている人の中には、脳卒中や首を骨折している人がいるかもしれないので、体をゆすると容態が悪化する可能性があります。声をかけるときは、肩をトントン叩いてします。
人が倒れて痙攣を起こしているのでそっと口にハンカチをかませた。これもしてはいけないことです。
口の中にものを入れると窒息の危険が高まります。絶対にしないように。
倒れたが意識は回復した場合に救急車を呼ぶ?
神経調節性失神または、起立性低血圧、いわゆる脳貧血の可能性が高いです。
意識がはっきりしているなら自律性神経の病気なので救急車でなく病院へで大丈夫です。ただし、意識があっても以下の場合には救急車を呼んでください。
くも膜下出血
- バットで殴られたような痛み
脳梗塞・脳出血
- 手や足にまひ
- ろれつが回らない
- 顔半分がまひでゆがむ
- 変ないびき
心筋梗塞・狭心症
- 胸がひどく痛む(肩、首、歯にまで及ぶ場合もある)
AEDの操作法
- フタを開けるとアナウンスが指示してくれます
- 呼吸をしていなようならAEDを使用します
- 指示に従い電気パッドを装着します
- 体に触らないでください 心電図を調べます のアナウンス
- 電気ショックの判断がされます
- スイッチを押すときは、体を離してスイッチを押します
- 直ちに胸骨圧迫と人工呼吸を始めてください
呼吸停止状態の時は、心臓が痙攣して心室細動を起こしています。それを、止めるための装置がAEDです。
ですから、⑦の心臓マッサージをしないと、そのままでは死んでしまいます。AEDで電気ショックを行ったら心臓マッサージすぐに始めてください。
心臓マッサージ(胸骨圧迫)は、1分間100回が目安。人工呼吸は不慣れな人は無理して行わず、心臓マッサージに専念してください。