腰が治ったと思ったら次は膝の痛みが・・・、そして腕、肩、頭・・・延々と繰り返される痛みに苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。

歳をとるって、こんな風に体が壊れていくことなんでしょうね。痛みなんてなくなればいいのに・・と思っていても、痛みは身体の危険信号を知らさせたり体を守る防御手段なんですから、そうもいかないですよね。

線維筋痛症のチェック法

原因不明の痛みに苦しんでいる人は、推定200万人もいるそうです。

初めは、足の違和感や手のこわばり、肩のつっぱり程度の軽い痛みなのですが、この痛みを放置しておくと、やがて全身を切り刻むような痛みへと発展してしまいます。

この原因不明の痛みの正体について「NHK ためしてガッテン」が、詳しく紹介してくれました。

病院では、このような痛みの症状を「線維筋痛症」と診断します。

線維筋痛症は、ようやく原因がわかるようになり、2009年の線維筋痛症学会でガイドラインができました。原因は、痛みを判断する脊椎の中にある中枢神経が異常をきたし、痛みを増幅させてしまうためだそうです。

引き金となるのはストレスで、肉体的なものであったり、精神的なものであったりします。重症化すると、全身が切り刻まれるような痛み、失神するほどの痛みに襲われます。風がふいたり、水道の冷たい水に触ったり、布団で寝転んだだけでも痛んだりします。

痛みは、日によっても場所が移動していきます。全身の痛みに加え、ドライアイ、ドライマウス、めまい、息苦しさ、疲労、便秘、下痢、嚥下障害などの症状も起こります。

病院へ行って検査を受けても、原因が見つからないため、線維筋痛症と診断されるまで時間がかかってしまいます。

線維筋痛症の診断では、全身18箇所の圧痛点を4kgの力でおしたとき、11箇所以上が痛み、広範囲の痛みが3ヶ月続くと線維筋痛症と診断されます。圧痛点とは「神経の集まる束の部分」で、全身にある急所と呼ばれる場所です。

●18箇所のポイント

1.喉仏の両側の窪んだ部分

2.鎖骨の一番内側から指2本分下

3.ヒジの骨の出っ張りから2cm手首より

4.ひざ関節の骨から足の付け根寄り1cm

5.頭蓋骨と首の境目やや下

6.肩先と首のちょうど中間地点

7.肩甲骨の角の内側

8.おしりを4分割した外側の上の筋肉のくぼみ

9.大腿骨の付け根のでっぱりから1cm後ろ

押し方は、親指の爪の先が白くなるくらいの軽い力で押します。このポイントを押して11箇所以上、痛みがあった場合には病院へいってください。

●診療科

リウマチ科、ペインクリニック、整形外科など(線維筋痛症を扱っている病院)

●治療法

2009年に、線維筋痛症の治療薬として、中枢(脳と脊椎)の興奮を抑えてくれる薬が保険適用になりました。

また、痛み計測することにより、治療の薬の調整、周囲の理解が得られるようになり、ストレスも軽減し、治療効果をアップさせることができるようになったそうです。

早めに発見し治療すると、本当によくなるので、長い間痛みに苦しんでいる方は、ぜひ診療を受けてみてください。