内蔵だって、年齢とともに老化するのは当たり前ですよね。それが、どうやら違うことがわかってきました。
小暮君子さん75歳の胃袋の年齢は、なんと20代とまったく同じ状態。
腫瘍の痕もなく、ピンク色のキレイな状態のままなのです。つまり、小暮さんの胃はまったく老化していないということです。
調べてみると、小暮さんの胃が若くていられる理由はある物がいないからだそうです。
逆に、ある物がいると、胃は異常に老化してしまい、胃潰瘍のリスクが18倍に、胃がんのリスクは100倍になってしまうそうです。
その物とは、ヘリコバクター・ピロリ菌です。
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の中に生息する細菌で、口感染や井戸水により人に広がっていきます。
多くの人が幼児の時に親から感染すると言われており、なんと40歳以上の日本人の7~8割が感染しているといわれています。
ピロリ菌に感染すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こします。また、胃がんのリスクも数10倍~数100倍に高まると言います。
胃が老化するかしないかの差は、医学会の長年の謎でした。
胃は、胃の粘膜の新陳代謝が活発なのため、傷がついてもすぐに修復され、本来なら老化しないものです。
ところが、ピロリ菌がいるとその仕組が壊れてしまいます。ピロリ菌は、表面に毒針をもっており胃の粘膜に毒を打ち込み、胃の細胞を壊してしまうのです。
そのような状態で、胃の中に刺激物が入ると内壁をさらに傷つけてしまい、潰瘍や、胃がんになってしまいます。
ピロリ菌の検査方法は、6種類ほどあります。除菌するには、抗生剤と潰瘍の薬を1週間服用することで8割の人が駆除することができます。
●健康保険の適用
2013年の2月から、ピロリ菌の除菌が保険適用になりました。
●検査方法
呼気検査~尿素を飲んでから、紙バックに息を吹き込みます。ピロリ菌が、尿素をアンモニアに変えるときにだす二酸化炭素をチェックし判定します。
その他、血液検査、尿・便検査、内視鏡検査があります。
●副作用
クスリを飲んでいる間、腸の中の細菌も殺してしまいますので下痢や軟便になることがあります。
ピロリ菌のいなくなった胃は、急速な勢いで回復していききれいなピンク色に変わっていきます。
60歳以上の方は、7~8割の方がピロリ菌の感染者だといいます。胃潰瘍18倍、胃がんのリスクも100倍に増えるということですから胃の調子にかかわらず、ぜひピロリ菌の検査を受けてくださいね。