認知症でないのに認知症と誤診された人がかなりいることがわかりました。

認知症の専門医が再診したところ、なんと去年1年間で3583人も診断ミスがあったそうです。認知症の専門医は、全国に2000人程なので、再診していない人も多く、氷山の一角かもしれないということです。

老人

これらの誤診は、認知症の症状がうつや睡眠導入剤などの薬の影響と同じような症状であることからおこります。

地域のかかりつけの医師の場合、判断が難しいことが多いといいます。

認知症と思ったらうつだった例

仕立ての店を経営していた男性は、3年前頃から物忘れや採寸のミスが多くなり病院で診断をうけたとこと、認知症との診断をうけ店をたたんだそうです。

そして、認知症の治療薬を2年間以上服用したところ、怒りっぽい性格となってしまい様子がおかしいと、別の病院で専門医の診断を受けたところ、「うつ」との診断でした。

専門医は、脳のMRIや検査から、性格な診断を導きます。この男性の場合には、認知症で欠損する脳の部分がはっきりと残っていたことでわかりました。

認知症の薬をやめ、うつ病の薬を処方してもらったところ、怒りっぽい症状は改善したことから、認知症の薬の副作用だった可能性が高いそうです。

認知症症状が処方薬だった例

83歳の男性の場合、泌尿器科に入院したときに幻覚を訴えるようになりました。同じ話をすること、医師の言ったことをすぐに忘れてしまうことから、泌尿器科の主治医は認知症だと思ったそうです。

しかし、同じ病医院の認知症専門医に相談したところ、患者の服用していた睡眠導入剤でボーっとしていて認知症ではないのでは、とアドバイスを受けたそうです。

認知症の診断には、症状や生活の様子を確認が欠かせないそうです。一見認知症に見えても、認知症でないケースは沢山あり一度の診断だけで認知症と判断するのは危険だと指摘します。

埼玉県草加市と八潮市の医師会では、適切な診断をするために16項目の認知症チェックシートを用意しています。かかりつけ医が実施し4項目以上チェックがあった場合には、専門医の診断を受けるようにしているそうです。

専門医の診断後、再びかかりつけ医に戻し、連携して治療を行っているそうです。かかりつけ医も、専門医のアドバイスを受けられるため、たまに診断に迷うとき大変参考になるといいます。

このような誤診が多いなら、心配してしまいますよね・・。誤診だと判断し、再診を受けるのは私たち個人まかせだとすると、大変怖いことだと思います。