女性ならだれもが悩む、脚のむくみ。夕方になるとパンパンになってしまいますよね。
マッサージしたり、むくみ解消のストッキングを履いたりしても、ぜんぜん治らず。太くなった脚を見て、ため息をつく毎日です。
いつものことだから油断していると、むくみが全身に拡がっていろいろな症状を引き起こし、最悪命の危険にも及ぶことがあるそうですから注意が必要です。
NHK「ためしてガッテン」では、そんな危険なむくみの原因と見分け方について教えてくれました。
危険な脚のむくみ
脚がむくむ人で、脚を指で押したとき、指の跡が残る人と残らない人がいます。実は、指の跡が残る人は正常で、のこらない人は危険な病が隠されている可能性があります。
指の跡が残る人は、一般的なむくみで重力により脚に水分がたまって起こるもので、一晩寝れば翌日には回復しているので問題ありません。
しかし、脚がむくんでいるにもかかわらず、指の跡が残らない人は、甲状腺機能低下症の可能性があります。
甲状腺は、首の下にある蝶のようなかたちをした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌し全身の60兆個の細胞に働いて体を元気にしているホルモンです。つばを飲み込んだ時に喉仏よりも下に動くところがありますが、そこが甲状腺です。
その機能が低下すると、うつ症状、冷え、抜け毛、息切れ、どうき、便秘、肥満、内蔵むくみなど、様々な症状を起こすようになります。日本では300万人の女性が、この病気になっている可能性のあるそうです。
放っておくと、手や顔に激しいむくみが起こり、重症化すると心臓が肥大してしまい、血液を送り出す量が3割から5割低下し、呼吸困難になってしまう恐れがあるそうです。
甲状腺機能低下症(むくみモドキ)の見分け方
①声が低くなったり、発声しづらくなったりしてないか
声帯が腫れていると起こる症状です。
②むくんだ脚を指で押したときに、指がへこまないか
向こうずねのあたりを5秒間強く親指で押して、指の跡が残るかどうかを確認します。
指の跡が残れば正常、指の跡が残らない人の脚は、水分ではなくヒアルロン酸によりむくんでいるそうです。
甲状腺ホルモンが分泌されると細胞が活性化し、細胞の水分を保ち細胞間のクッションの役目をするヒアルロン酸と、新しいヒアルロン酸に入れ替えるための分解酵素がつくられます。
しかし、甲状腺の機能が低下すると、ヒアルロン酸を分解する酵素がほとんど作られなくなくなってしまうため、古いヒアルロン酸が全身の細胞に残りむくみを起こし、いろいろな症状を引き起こすようになってしまうのです。
甲状腺機能低下症の治療
甲状腺ホルモン剤を処方してもらい、1ヶ月ほど飲み続けることで症状が改善します。
甲状腺機能低下症になると、体が重だるくなり、階段が休みながらでないと登りきれなくなったり、神経細胞間のやりとりの元気がなくなり、「うつ状態」になることがあるそうです。
甲状腺機能低下症の症状
・うつ状態
・極度の冷え性(暑がりだったのが冷え性になってしまう)
・急な抜け毛(生え際の毛が抜けてしまう)
・発汗減少
・乾燥肌
・便秘
・疲労
・心機能低下
・関節痛
上記の症状が長く続いている人で、脚を指で押してもへこまない「むくみモドキ」のある人は、かかりつけの医院で「甲状腺の検査をしたいのですが・・」と申し入れ検査を受けてください。
甲状腺は血液検査により簡単にわかるそうです。