自らのガンを公表し、がんと闘ってきた鳥越俊太郎さん。手術、転移、手術を繰り返しガンを克服してきました。

自らのガンを報道の視点で冷静に見つめ、考え悩み学んだガンの対処法を教えてくれました。

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鳥越さんは、京都大学を卒業後、毎日新聞社に入社。第一線の記者として、夜討ち朝駆けの生活を40年間、65歳まで繰り返してきました。

唯一の楽しみは、晩飯変わりに飲む大好きな缶ビールだったそうです。

最初の異変は、その缶ビールの味がおいしくなかったこと。さらに、トイレの排便後、水が赤く染まっていました。

おかしいと思い、すぐに精密検査を受けたところ、直腸がんであることが判明しました。

鳥越さんは、ガンを公表し治療のすべてを記録し、がん患者である自分を徹底的に取材することを決意し、がんと闘うことを決意しました。

直腸がんの手術は無事に終わりましたが、その後左肺への転移が判明、その時点でガン進行度ステージ4、5年生存率20%を告げられます。

左肺の手術の後、今度は右肺への転移、さらに肝臓への転移などがあり、2年の間に3回のがん手術を行いました。

鳥越さんは、現在75歳。最後の肝臓手術から5年が経過しました。70歳を過ぎてから、週3回トレーニングジムへ行き、ホノルルマラソンも完走するほど回復しています。

そんな、鉄人のような鳥越さんが、がん患者として学んだ「がんから命を守る7つ知恵」をTBSサンデープラスで紹介してくれました。

がんから命を守る7つ知恵の放送内容

①体に異常を感じたらすぐに精密検査を受ける
症状がでたり、健康診断で指摘されても1年以上放っておく人もいますが、がんの基本は早期発見、早期治療です。おかしいと思ったら、すぐに検査を受けてください。

②必要以上に落ち込まない
前向きな気持ち明るい気持ちでいると、ウイルスやがんと闘う免疫細胞であるNK細胞が活性化します。また、患者が前向きだと医者も共に闘うという気持ちができてきます。

③プロのがん患者になれ
自分はどういう状態なのか、どんな治療法があるのかを具体的にイメージし、医者との理解を深めることが大切。例えば、死亡率ではなく、5年生存率を見て前向きな気持ちになることが大切です。

④病院選び
症例数の多い先生にかかる。大事な情報なので、医者に遠慮せずに聞いてもいいそうです。また、専門用語でなくわかりやすい言葉でしっかり説明してくれる先生は、いい先生です。

⑤医者を疑わず信頼する
転移が続くと医師との信頼関係が崩れ、転院してしまう患者さんも多いのですが、主治医を信じることが大切です。

⑥生きる原動力
鳥越さんは娘さんの子供の時の写真を肌身離さずもっていて、自分自身を励ましていたそうです。今の楽しみは、肝臓の手術をしたときに生まれた、孫と遊ぶことだそうです。

⑦早期発見
他の病気は、悪くなると痛みなど自覚症状がでますが、がんは自覚症状がないので症状がでてきたときは手遅れになります。

鳥越さんは、がんはある程度の年齢になったら、定期的にがん検診をすべきだといいます。

がんは早期発見、早期治療すれば助かる病気です。結婚記念日や誕生日などを利用して定期的に検査してくださいとのことでした。

鳥越さんの主治医は、虎の門病院 呼吸器センター 河野匡先生、肺がん治療における世界的権威者です。がんに挑むには、いい先生に巡りあうことも、大切な要素ですよね。