口内炎は1度や2度は経験したことがある方が多いと思います。口内炎になりやすい体質の方は、歯ブラシなどでちょっと傷つけたり、誤って舌や唇を噛んでしまっても、口内炎になります。

口内炎になると塩辛いものや熱いものが沁みたり、しゃべると痛みがあったりと不快な数日を過ごします。

ケナログなどの塗り薬とビタミンBなどを摂取すると放っておくより比較的早く治ります。

ところが、口内炎だと思っていた炎症が実は癌であり、癌を切除するために、顎からすべて切除しなくてはならないケースがあります。

早期発見であれば、ガンの部分だけ切除することも可能ですが、癌が進行していた場合、顔の下半分を切除するためうまくしゃべれなくなり、食事もできなくなります。

見栄えも大きく変わってしまいますが、命を守るためには仕方がないことと決断せざるを得ません。

番組では、口内炎と思っていたものが癌であり、顔面切除を覚悟した患者さんが、ある最新治療に臨みます。

一般的な口内炎と癌の違いを覚えておくと手遅れになる前に対処することができます。

一般的な口内炎は、ものすごく痛みを感じるのですが、軽症なら2,3日、重症のアフタ口内炎でも塗り薬との併用で、1週間程で治ります。

ところが癌の場合、特定の食品だけに傷みを感じ、薬を塗ろうが、ビタミンBを飲もうが、まったく効果がありません。

しかも、硬い「しこり」になるわけでもなく、切羽詰まる激痛がないので放っておく場合が多いようです。

こんな状態で見逃した挙句、気づいたときには、舌癌だったと言うケースが非常に多いので、口内炎と癌の見極めはとても大切だと思います。

いつまでの治らない口内炎は、一度疑ってみると良いですね。

癌化する原因の一つに、例えば、歯の治療の後に偽歯が当たる、噛む癖があるなど、口腔内の特定の部分に絶えずストレスがかかることがあげられます。

歯の治療後の口の中の状態や自分の癖など、一度チェックしておくと良いですね。

口内炎が頬粘膜ガンだった 最新治療と奇跡の手術

顔を半分切除しなければ、命はないと宣告された78歳のおばあちゃん。切らずに治す最新治療で、その危機を乗り切ります。

はじめは、白くへこんでいたので口内炎だと思っていました。口腔外科で診療を受けた結果、診断は頬粘膜ガン(きょうねんまくがん)でした。

頬の内側の粘膜にできるガンで、かみ合わせや喫煙など長期にわたる刺激によって、細胞ががん化してしまいます。

医師からは、ステージ4のがんで顔の半分以上を切除しないと助からないとのことでした。

おばあちゃんからは「顔が変わっちゃうなら死んじゃった方がいいよ」その答えでした。

そこで訪ねたのは、横浜市立大学付属病院 口腔外科 光藤健司先生。口腔外科と口腔外科のエキスパートです。

顔面を切らずに治す治療法を確立した名医として知られています。その治療法は「逆行性超選択的動注化学放射線療法」。

ガンの栄養源である頬の動脈にカテーテルを入れ、そこから、がん細胞を狙い集中的に抗がん剤を投与する治療法です。

放射線治療と併用することで高い治療効果を得られます。治療から4週間後の中間検査の結果は、ガンは元の大きさの20%に縮小していました。

ただし、この治療法には治療を受けるための、身体的な条件が必要だそうです。