がんでも妊娠したい!これは、ガンになっても子供を欲しい女性にとっては切なる願いですよね。
この希望を叶えてくれるのが、「卵巣凍結保存療法」です。
今までは、ガンになると命が一番、妊娠、出産は二の次で諦めるのが当たり前と言う風潮がありましたが、がん治療後の妊娠に新たな選択肢が広がりました。
NEWSアンサーに登場した女性は、現在34歳ですが、23歳の時に子宮頸がんが見つかりました。ガンはかなり進行していたため、子宮を全摘出することになり、手術直前まで悩んだそうです。
いよいよ手術となったとき、子宮を失うことが現実になることに対し、子宮を残してガンで死んでもいくのも選択肢の1つではないかと思ったそうです。
それでも、手術を受けたのは、母親からの「生きてほしい」と言うメールでした。
手術は成功しましたが、20代後半になると新たな葛藤が生まれたそうです。それは、付き合った男性にどの段階で「自分は子供が産めない」と言えばいいのか・・・もう、結婚はできないと思ったそうです。
卵子凍結保存療法とは
卵子凍結保存療法とは、ガンの治療を始める前に、卵巣の1つを取り出し、卵巣組織を冷凍保存します。ガンの治療後、それを体内に戻すと言う治療です。
早期に卵巣機能が損なわれる可能性のある患者に対し、卵巣組織を冷凍保存します。この卵巣冷凍保存システムの発表を行ったのは、レディースクリニック京野の京野廣一理事長です。
2004年には、世界で初めて卵巣凍結した患者さんが出産し、日本国内では、2人の女性が出産しています。
しかし、現在卵巣凍結を実施できる医療機関は、全国で20か所ほどと少なく、保険が適応されません。
この卵巣凍結保存療法は、卵子凍結と比べると自分の卵子を使って妊娠する確率が格段に上がると京野理事長は言います。
ただ、リスクもあります。移植切片の中にはがん細胞があるかどうか100%確認できないからです。凍結させた卵巣の組織をお腹に戻した場合、がんをもお腹に戻してしまう可能性はリスクがあります。
卵巣凍結を希望する患者さんは、本当に卵巣凍結をする必要があるのか?リスクはないのか?医師と良く話し合う必要がありますね。
しかし、医学の進歩は日進月歩。今まで諦めていた出産が可能になる新たな治療が生まれてくることは、女性にとってうれしいことです。