大腸がんの検査と言えば、肛門からバリュームを入れる注腸や肛門から内視鏡をいれる検査が行われ、とても苦しいと言うイメージがありますね。

また、検査にあたっては、腸の中を空っぽにするため、強い下剤をかけます。この強力な下剤でかなり辛い思いをした人もいるのでは?

他に、検査中に内視鏡で腸壁を傷つけてしまう例もあり、苦しい上に心配なこともある検査です。

これ以外の楽な大腸がんの検査と言えば、血液を採って調べる腫瘍マーカーや検便ですが、従来のマーカーは、早期がんの発見は難しいとされてきました。

また、便に血液が混ざっているかどうかを調べる検査は、継続して受けていれば有効ですが、1回のみではがんを見逃す可能性があるそうです。

ところが、最近になって、吉田優神戸大大学院准教授らの研究チームがわずかな血液で、大腸がんの有無を診断する方法を発見したと報道されました。

吉田准教授らは、大腸がん患者と健康な人それぞれ60人の血液を調べたところ、がん患者に多く検出される物質を複数突き止めました。


(画像は、イメージです)

そのなかで、安定性や検査の精度を考慮して、「アスパラギン酸」など4種類の物質を、がんであるかどうかの「バイオマーカー」として絞り込んだそうです。

今回発見した4種類の物質を調べれば、早期のものも含め、がんを8割方発見できると言うから、これは嬉しい報告ですね。近い将来、実用化されるようです。

がんのなかでも、大腸がんは、女性の1位、男性の3位と非常に発症率の高い癌です。

従来のマーカーに信頼を置けなくて、苦しい注腸や内視鏡検査をしていた方は、ちょっとホッとできるかもしれませんね。

また、大腸の検査が嫌で検査を先延ばしに、早期発見を逃した例もありますので、早めの実用化を期待したいものです。