インフルエンザの季節も終わり、春になってもコンコン咳き込んでいる人が多いですよね。
風邪なのかな・・・と様子を見ていても、なかなか治らない。この症状が続いている人は、肺の生活習慣病COPDを疑ってみる必要があります。
COPDとは、慢性閉塞性肺疾患です。喫煙が主な原因と言われていて、肺への空気の通りが少しずつ、ゆっくりと悪くなっていきます。
ちょっと前までは、肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気で、私たちには、その名前のほうがピンときますね。
初期症状は、咳や痰が絡む程度ですが、やがて息切れして階段の昇り降りも辛くなります。
最近は、大気汚染であるPM2.5が原因として挙げられています。PM2.5とは、粒子の大きさを示します。
大気汚染、タバコの煙、黄砂、焚き火、火山などで発生する、非常に細かい粒子をいいます。
PM2.5は、粒の大きさ0.0025mm以下の粒子という意味です。中国の大気汚染で発生したPM2.5が、春先になると黄砂にのって日本にやってきます。
PM2.5は、粒子が小さくて肺の奥深くに入りこんでしまいます。そうすると肺だけでなく、身体中の様々な臓器に病気を起こしてしまいます。
喉のイガイガ、咳、アレルギー症状、目の症状などに症状が起きます。
喉の異物が入ると通常は、咳や痰で排出するのですが、PM2.5はどんどん深く入り込んでしまい肺の細胞を壊してしまいます。
そうなると息苦しくて動けない状態になります。これをCOPD(慢性閉塞性肺疾患)といい、慢性気管支炎と肺気腫が合わさった状態です。
COPDは、痛みなどの症状がないため見逃しやすく、推定患者数700万人のうちの95%は気づいていないそうです。死亡率は、世界で第4位、日本でも9位の病気です。
●COPDの予防策
・禁煙、タバコの煙を避ける
・PM2.5の警報がでたら極力外にでない
・外出時にはマスクを着用
・帰宅後は手洗い、うがい、洗濯
●検査法
病院で肺の機能検査、パルスオキメーターで動脈の血液に流れる
酸素の量(酸素飽和度)を調べます。
●COPDのサイン
軽症 坂道や階段を上る際、早歩きで息切れがあるが苦痛ではない
中等症 平地走行で同世代と並んで歩くと自分だけ遅れる
重症 着替え、洗面などの日常動作でも息切れがする
●COPDが引き起こす他の病気
動脈硬化、脳梗塞、認知症、骨粗しょう症、糖尿病、不眠症、うつ病などの病気を引き起こすため、肺の生活習慣病と言われています。
●苦しい息を楽にする方法
口すぼめ呼吸法を覚えます。
①軽く口を閉じ鼻から意味を吸う
お腹が膨らむのを確認してください。
②口をすぼめてゆっくり吐く
お腹に手をあて最後まで吐ききる。口元から30cm離した手のひらに風を感じる感じで練習してください。
●COPD改善のための生活指導
①禁煙・・これは当たり前の条件ですね。
②予防接種・・インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなどで増悪を防ぎます。
③栄養指導・・太りすぎ、やせすぎダメ。糖尿病を併発することも
④上肢の運動・・上半身を鍛えると息切れしにくくなる
気づかないうちに進行しているので,症状に思い当たる方は早めに検査を受けてくださいね。