狭心症や心筋梗塞と聞くと、男性に多い病気だと思いがちですが、更年期の女性が約1割かかる女性特有の「狭心症」のことはなかなか知られていないのが現状です。

この更年期の女性に多い狭心症は、「微小血管狭心症」と言い、心臓の筋肉にある細い血管が収縮し、胸やあご、背中に痛みが伴い、長く続くことが特徴です。

原因は、血管を広げる働きをする女性ホルモンの「エストロゲン」が減少し、心臓の細い血管が収縮しやすくなるからです。

このタイプは、ニトログリセリンが効かず、カテーテルの検査でも表れづらいため精神科に回されるケースもあります。

アメリカで発見されてから20年もたつのに、循環器専門の医師でも詳しい人は、まだまだ少ないようです。

就寝中などの安静時に痛み、痛みが長引いた場合、更年期の女性は、「微小血管狭心症」を疑ってみるとよいかもしれません。

治療も、細い血管を広げる作用の弱いニトログリセリンは使わずに、カルシウム拮抗薬と言うタイプの薬を使います。これにより

9割の患者さんの痛みが取れて、快方に向かいます。病名が付くまで数年かかり、適切な治療が遅れている患者さんも

少なくないので、思い当たる節があれば、専門医にこの病名を打診してみるのもよいですね。

H25.7.24放送の「40代に急増!隠れ心臓病から命を守れ ためしてガッテン」はこちら。