心筋梗塞というと、胸を押さえて前かがみになるほどの激しい胸の痛みがある、と理解していますよね。ところが、まったく胸の痛みを感じないで心筋梗塞になっている人が、全体の2~3割もいるそうです。
その人たちの病名は「無痛性心筋梗塞」といいます。心筋梗塞でありながら、心筋梗塞の特徴的な胸の痛みがないため気がつかず重篤な状態に陥りやすいそうです。
無痛性心筋梗塞は、痛みを感じていないだけで、進行状態はまったく普通の心筋梗塞と同じ状態にあります。
心筋梗塞が発見されたときは、重度の不整脈や心不全に進行していることがあるため、早急に処置をしないと、そのまま死へまっしぐらということになります。
痛みを感じない理由は、痛みを感じる神経に異常があるためです。主に、糖尿病の人や、高齢者の方に多いそうです。
しかし、だるかったり、吐き気がしたり、めまいやしびれだったり、症状はさまざまですが、体から何らかの警告サインがあるそうです。
「ためしてガッテン」(NHK)では、無痛性心筋梗塞の人の意外な前兆のサインを大公開、胸の痛みの深刻度を簡単に判定できる方法を教えてくれました。
無痛性心筋梗塞
無痛性心筋梗塞で亡くなる人は、年間1万~2万人いると言われています。
実際、無痛性心筋梗塞になった人に聞いてみると痛みはまったくなく、身体がだるく貧血かな?程度にしか考えなかったそうです。
そのほか、一瞬の立ちくらみ、気持ちの悪さ、軽い寒気などの症状を示す人もいます。でも、その人たちに共通しているサインがありました。それは「冷や汗」です。
心筋梗塞になると、全身へ送る血液量が減ります。そうすると、脳や臓器への血量を確保するため血管を収縮します。
そうすると、汗を溜めている汗溜まりの血管もきゅっと収縮して、冷や汗がでてくるそうです。
つまり、心筋梗塞の判断には「冷や汗」を確認すること。原因がわからずでる全身の冷や汗は、心筋梗塞と考え、即病院へ行くことが肝心です。
痛みがないのは、神経障害が起きているため。心筋梗塞の緊急性は、痛みがあるかどうかは関係ありません。2時間以内に病院で治療すれば、90%は助かります。
無痛性狭心症
もう一つ同じ症状に、無痛性狭心症があります。この病気のチェック法は、止まらない咳と急な体重増加です。
また、胸の痛みで間違えやすい病気に、逆流性食道炎があります。胸が締め付けられ痛くて病院で検診したら、問題なしといわれ、胃薬を渡されたケースも多くあります。
胸の痛みで病院を訪れた人の8割は別の病気ということです。しかし、その2割は、緊急を要する心臓疾患なので迷わず受診してください。
胸痛が起こる原因(病気)
指でさせない痛みの場合の病気・・この辺りという感じで、どこが痛いか具体的にわからない
・心筋梗塞 ・狭心症 ・大動脈解離 ・肺血栓塞栓症 ・逆流性食道炎
指でさせる痛みの場合の病気・・具体的にここが痛いといえる
・肋間神経痛 ・筋肉痛 ・帯状疱疹
痛みの場所を指でさせない胸痛は、すぐに病院へ行く、思いあたる理由がない「全身の冷や汗」は、心筋梗塞と覚え、一刻も迷わず病院で検査、覚えておいてくださいね。