今、日本では2分に1人の割合で脳卒中になっているそうです。
脳卒中の原因は、人間の進化と大きく関わっているそうです。人が直立歩行をするようになり、250万年前に脳はどんどん大きくなりその脳へ血液を送るため、脳の隅々まで血管を張り巡らしていきました。
太い血管からどんどん枝分かれし、さらに太いの血管から細い血管へと脳の隅々まで血を送りこみます。
その結果、脳の血管の長さは驚くほど長くなり、血流も3倍以上に増えてしまいました。
しかし、脳血管の壁は進化しなかったため、脳卒中を引き起こす原因となってしまったそうです。
番組では、そんな人間の進化と脳の関係を丁寧に説明してくれます。また、どうすれば脳卒中を発症しないのかについて、教えてくれます。
人はなぜ脳卒中になるのか
脳は血液が流れることで、酸素や栄養が運ばれていきます。血液が流れなくなると、数分で脳の機能が停止し大変な事態になります。
脳卒中には、血管が破れる脳出血と血管が詰まる脳梗塞があります。
脳卒中で破裂するのは、0.2mmの細い血管の微小動脈瘤です。動脈瘤ができ血管が膨らむと、血管の壁は薄くなり、破裂してしまいます。
脳の血管は、心臓など全身の血管と比べると血管の壁の厚さが、はるかに薄いそうです。それは脳には筋肉がないため、大量の血液を流す必要がなかったためです。
また、巨大化した脳の血管の長さは、なんと600kmもあるそうです。大きくなった脳に血液を流すため毛細血管がどんどん増えていきました。
毛細血管の構造上、曲がり角には大きな負担がかかります。やがて、その部分の血管が膨らんで微小動脈瘤になってしまうのです。
血管が膨らむ場所は、ほとんど決まっていてレンズ核線条体動脈に障害が起こります。
この部分は、運動神経と密接にかかわっているため脳卒中になると、運動野の機能が失われほとんどの人が言葉がうまく話せず、半身の麻痺が起こってしまうのです。さらに、脳卒中を起こしやすくする環境が現代社会にあります。
●高血圧
高血圧の原因は、塩分の摂取にあります。
塩分が多くなると血液中にナトリウムが増えそれを薄めるため体内から血液に水分を取り込みます。その結果、血流が増え、高血圧になるのです。
血圧が高くなると、血管の壁にかかる圧力が高くなり微小動脈瘤が起こります。塩分には、麻薬と同じ依存効果があるので注意が必要です。
●肉類、脂肪の摂取
最近、首の太い血管が詰まり脳卒中が起こるケースが増えています。血管の中に、コレステロールの大きな塊ができてしまったためです。
原因は、塩、肉などの脂肪です。血中にコレステロールが大量にあると血管の傷ついたところから、血管の内壁に入り込んで壁が膨らんでいき、やがて血管をふさいでしまいます。
●その他の原因
現代社会は、ストレス、睡眠不足、タバコ、アルコールなど、脳卒中の起こるリスクをどんどん増やす要因がたくさんあります。
●脳卒中のリスクを下げる方法
やればやるだけ脳卒中のリスクを下げる方法がわかってきました。九州大学が50年にわたり、福岡県久山町の8000人の町民を対象に大規模な調査を行いました。
①肥満を少しでも解消すること
やせればやせるほど脳卒中のリスクが下がります。
BMIによる発症リスク
2.5以上 5.6倍
2.3 3.1倍
2.1 2.3倍
2.1未満 1
②日ごろの運動
週3回以上運動する人はそうでない人に比べ、脳梗塞の発症リスクが6割減少し、脳出血は3割減っていました。
脳梗塞の最新治療 幹細胞
脳卒中で血管が損傷した部分に、肝細胞を送り込み新たな毛細血管を作り出そうとしています。
新たにできた血管から血液を届けることができれば、生き残った神経細胞のネットワークを再生できる可能性があります。
この治療を受けたアメリカの男性は、急速な回復を見せています。
脳卒中は、自分の心がけでリスクを抑えることができます。いつなるのか、恐れているのでなく、発症しないような努力をすべきです。
まずは、塩分を控えめにし、高血圧になるのを防ぎましょう!そして、週3回の運動で肥満を解消しましょう!。