冬になると脳卒中で倒れる方が、多くなります。気温が下がると血管が収縮してしまい、血圧が高くなるためです。風呂場やトイレなどで倒れる方が多いのは、このせいなのです。

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特に、寒いトイレでの「いきみ」などは、血管に悪い条件が重なりますので、特に注意が必要ですね。

ちょっと電気代がかかりますが、冬場の浴槽や脱衣場は小さな温風ヒーターで温めておくと、トラブルを防ぐことができます。

また、こたつや電気毛布が原因で、脳梗塞を発症することも知られています。

体が温かいのになぜ?と思いますが、寝ている間に大量の汗をかいてしまい脱水症状を起こし、血液がドロドロになってしまい起こるのだそうです。

脳卒中は、高齢者ばかりだと思っていたら大間違い。若い世代のも発症することを、テレビ東京のアナウンサーの大橋未歩さん(34)が「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京)で教えてくれました。

大橋さんが脳梗塞を発症したときは、左顔面マヒが起こり、「死ぬのかも・・」と思ったそうです。

防ぐ方法として注目されているのが、英国の救急隊の「ACT-FAST」判定法。英国では、この判定法を国民に広く普及させ、脳卒中による死亡者数を年間1万人減らしたそうです。

「ACT-FAST」とは、顔(FACE)、腕(ARM)、言葉(SPEECH)をチェックし、その中の一つでも当てはまる場合には、脳梗塞と判断し、タイムリー(Time)に救急車を要請するというものです。

「ACT-FAST」診断法

顔(FACE):
「いー」と言って、広角が片方の口しか上がらないときは異変。

腕(ARM):
両手の手のひらを上に向けて「前へならい」させて5つ数える間に片側が上がらないか、片腕が落ちてくるときは異変。(起き上がれない場合は、あお向けにし両手を胸にのせ5つ数える間に片側が落っこちたら異変)

言葉(SPEECH):
「らりるれろ、ぱぴぷぺぽ」「今日はいいお天気です」が、ろれつが回らずうまく言えない時は異変。

救急車(Time):
1つでも当てはまったら即救急車を要請。

今年の冬は、例年より寒いと言われています。「電気代を惜しまず、命を惜しめ」冬の温度差には、くれぐれも注意してくださいね。

大橋アナの脳梗塞告白

2013年1月、それは、寝る前に洗顔しているとき突然起こりました。左の手の感覚がまったくなくなり、クリームを落としひろおうとして、そのまま倒れてしまいました。

世界がグニャグニャ回っている感じで、左半身にまったく力が入らず立つこともできませんでした。

家にいた夫が異変に気づいて発見した時は、左顔面が引きつっていました。夫は、脳かもしれないと判断し、すぐに救急車を呼びました。

夫に、大丈夫を「らいようぶ」としか言えないことに気がついたとき、死ぬかもしれないと思いました。

救急車の中で、意識が戻ってきました。脳の診断結果は、右脳に4ヶ所の脳梗塞があるとのことでした。

急遽、絶対安静で血液をサラサラにする点滴を10日間し、おかげさまで後遺症もなく生還しました。主人が適切に判断してくれたことで、助かったのだと思います。

右の首の動脈が裂けていたのが原因で血栓ができ、それが脳に飛んで脳梗塞を起こしていたそうです。

病名は、右内頚動脈乖離。薬を飲んでも自然治癒せず手術かステント治療の選択となりました。脳梗塞から半年後、ステント治療で完治させました。

脳は、本人は大丈夫だと言っても、「様子がおかしければ、迷わず救急車を呼ぶことが命を救う」主治医からのアドバイスでした。