歯周病は、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などと密接に関わり、
命に係わる万病の元と言われています。
歯周病の人は、動脈疾患になる可能性が、5.45倍にもなります。
歯の土台である歯茎が崩れる原因を作るのは、歯周病菌です。
歯と歯茎の小さな溝(プラーク)と言う歯垢に歯周病菌は潜んでいます。
プラークがたまると潜んでいた歯周病菌が増えて炎症を起こします。
これが歯肉炎です。
歯肉炎が進むと、歯と歯肉の溝が深まり、プラークが
溜まりやすくなります。やがてプラークは硬くて取れにくい
歯石に変化し、ますます歯周病菌が増殖します。
歯肉炎の炎症が強まると、歯を支えている歯槽骨がなくなり
最終的には、歯が抜け落ちてしまうと言う結果に。
●自分で出来る歯周病チェック
①少し触っただけで歯茎から出血する
②歯茎が腫れている
③口の中がねばつく
④歯が長くなったように感じる
⑤歯が動いて物が食べづらい
①と②は、歯肉炎と言われる初期症状です。
③~⑤へと症状は進行します。
上記の症状が一つでもあったら、
急いで歯医者にいくことが大切です。
●歯周病の最新検査法
歯周病の最新検査法は、「ぺリオチェック」です。
東京医科歯科大学で行われている「ぺリオチェック」は
①歯と歯肉にたまった歯垢(プラーク)を採取し、専用の容器に入れる
②そこに、歯周病菌に反応する薬剤を投入
③専用の保温器に入れ15分置く
15分置いた容器の中の液体が青くなればなるほど歯周病菌が
たくさんいることになります。
●効果てき面!簡単予防法
歯周病予防は、歯磨きが一番ですが、一生懸命歯磨きをしていても、
正しい方法で行わないとまったく無意味になってしまうそうです。
歯周病にならないための歯磨きは、
①歯ブラシを歯に垂直に当てます。
この時、毛先は歯と歯茎の境目に当たるように置きます。
②歯ブラシを当てたところを約20~30秒間往復し、細かく動かします。
ポイントは、毛先を動かさず歯に振動を与えるように動かすことです。
磨きにくい前歯の裏側は歯ブラシの先を使用します。
歯と歯の間には、歯ブラシでは取れずらい歯垢がたまっています。
歯間には、「フロス」と言う糸状のものを使用します。
フロスの正しい使い方:
①肩幅の長さにとったフロスを右手の中指に巻き付けます。
②左手の中指にフロスを巻き固定します。(フロスの長さは5センチ程)
③片側ずつプラークを落とすように動かします。
市販されている歯間ブラシを使っても良いそうです。
また、唾液は殺菌効果があり、唾液をたくさん出すと歯周病の
予防効果があります。
唾液を分泌する方法(唾液分泌促進法)
口を閉じた状態で、舌の先を使い、歯と唇(頬)の裏側の間に
「の」の字を書きます。
●驚きの最新治療術 歯周組織再生治療法GTR
以前は、悪化すると歯を抜くしかなかった歯周病ですが、
現在は、悪くなった歯周組織を再生させる方法が考案されました。
歯周組織再生治療と言われる最新治療法です。
その一つが、GTR法です。
治療法は、
①歯槽骨を覆うようにGTR膜をつけます
②歯肉と歯をつなげる歯根膜が徐々に再生します
③歯肉を支える土台が再構築されます
失われた組織を再生させることができるのが、GTR法です。
GTR法は、主に大学病院で実施されている「先進医療」で
保険適応です。
また、「バイオ・リ・ジェネレーション法」と言う治療法は、
歯の根元に液体の再生材料を注入し、歯周組織の再生を促進させます。
バイオ・リ・ジェネレーション法は、保険適応外です。
歯周病が重症化し、歯根がなくなってしまたら、
再生治療が難しくなるので、早期発見、早期治療が大切です。