5月になると、夏の日差しが増え気温も25℃オーバーの日も多くなってきます。
この季節になりますと、心配なのは熱中症。

熱中症は、予防法を知っていれば防ぐことができ、
応急処置を知っていれば救命できます。

そこで、環境省の「熱中症環境保険マニュアル」(2011年5月改訂版)
を簡単にまとめてみましたので紹介いたします。
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【熱中症とは】
・高温の環境で、体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスが崩れたり、
 体内の調整機能がおかしくなり発症する障害で、死に至る可能性のある病態です。

【熱中症になりやすい条件】
・高温の日、多湿の日、風が弱い日、熱を発生する場所
・工事現場、運動場、体育館、一般の家庭の風呂場、
 気密性の高いビルやマンションの最上階など
体から熱が放散しにくく、汗の蒸発も不十分となり熱中症が発生しやすくなります。

【熱中症になりやすい人】
・下痢や嘔吐、熱で脱水状態にある人
・高齢者、肥満の人
・過度の衣服を着ている人
・普段から運動をしていない人
・暑さに慣れていない人

また、風邪の人、下痢などで脱水状態の人、肥満の人、小児や高齢の人、
心肺機能や腎機能が低下している人、自律神経や循環機能に
影響を与える薬物を飲んでいる人は、熱中症に陥りやすいので要注意とのことです。

【熱中症の重症度と対応】
Ⅰ度・・・現場での応急処置で対応できる軽症

 めまい・失神 筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗

Ⅱ度・・・病院への搬送を必要とする中等症
 頭痛・気分の不快 吐き気 嘔吐 倦怠感 虚脱感 体がぐったり 力が入らない

Ⅱ度・・・入院して集中治療の必要性のある重症
 意識障害 痙攣 手足の運動障害 反応がおかしい、ひきつけ、真直ぐ歩けない
 体に触ると熱い 意識がない

【熱中症を疑ったときには何をするべきか】
① 涼しい環境への避難

 ・風通しのよい日陰、クーラーが効いている室内など

② 脱衣と冷却
 ・衣服を脱がせて皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐ
 ・冷たいものを首、 脇の下 大腿の付け根に当てて血液を冷やす

③水分の補給
 経口補水液やスポーツドリンク、なければ水1Lに1~2gの食塩をまぜたもの
 ※意識障害や吐いているときは、口からの水分補給は禁物で、とにかく身体を冷やす。

④重傷度Ⅱ度、Ⅱ度の場合には、一刻も早く医療機関へ運ぶ
※その間①②③を実施
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中高年になってきますと、体の体温調整がうまくいかなくなってきます。
水分をこまめにとって、暑くなりそうな今年の夏を、健康に乗り切りましょう!