現在、慢性腎臓病の患者数は1330万人といわれ、成人の8人に1人が腎臓病と推定されています。
慢性腎臓病(CKD)とは、早期発見のために定義された腎臓疾患の総称で、慢性的な腎機能の低下が3ヶ月続いている状態をいいます。
腎臓は、自覚症状が出にくいため、肝臓と同じように沈黙の臓器と呼ばれています。
腎臓の病気には、急性腎炎、慢性腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ、腎不全などがあります。
腎臓の働きは、血液から老廃物を濾過しておしっこをつくること。これができなくなると、体中に毒素がまわり数日で死んでしまいます。
そのため腎臓機能の低下した人は、機械の力で血液をきれいにする人工透析を生涯受ける必要があります。
現在、全国では30万人が人工透析を受けているそうです。人工透析になると、週に3回、1日4時間透析が必要となります。
そうならないためにも、早期発見、早期治療することが大切になります。
早期発見するには
貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行していますので、すぐに治療する必要があります。
主な自覚症状
・倦怠感、疲労感
・夜間頻尿、むくみ
・貧血、息切れ
●なりやすい人
・肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣がある人
・メタボリックシンドロームの人
・高齢者
・過去に心臓病や腎臓病になったことがある人
・家族に腎臓病の人がいる人
・検診でたんぱく尿がある人
・たばこをすっている人
慢性腎臓病 CKDの2大要因
①高血圧
血圧が上がると血管に負担がかかり、腎機能が低下します。
②糖尿病
血液中の糖が増えすぎることで腎臓の血管にダメージを与えてしまいます。
●SKDのステージ進行
ステージ1・・腎障害はあるが正常(尿たんぱくが検出)
ステージ2・・軽度機能低下
ステージ3・・中程度低下(自覚症状が現れる)
ステージ4・・高度低下
ステージ5・・腎不全
※ステージ3までは、なんとか元に戻せますが、ステージ4になると回復は難しくなります。
※心筋梗塞や脳梗塞のリスクは、ステージ2からが高まります。
腎臓病の検査
・尿検査
腎臓のろ過が正しく機能しているかを、尿中のたんぱくの量でチェックします。
※市販の検査キットでも調べることができます。
・血清クレアチニン検査(Cr、CRE、CREA)
採血で体内に残っているクレアチニン量をチェックします。
男性で0.6~1.2mg/dl、 女性で0.4~1.0mg/dl が正常値です。
この2つの検査で腎機能の状態を判断します。
治療方法
薬物療法、食事療法、生活指導を中心に行われています。
食事では、たんぱく質、塩分、カリウム、リンなどを含む食品の摂取が制限されます。
●防ぐには
生活習慣の改善し、たんぱく質や塩分を摂り過ぎない。1日の塩分の摂取量は6gまで、できれば3~6g以内に!。
塩分は、調味料(みそ、しょうゆ)、パンや麺類、バター、ハムなどの加工食品、インスタント食品などに多く含まれていますので、つい摂取過剰になります。毎日の食生活で注意します。