夫が原因で妻が体調を崩す病気を、夫源病(ふげんびょう)と言います。最近よく耳にする言葉ですね。

ある60歳の主婦の夫は、亭主関白。夫は会社員で家が片付いていないと不機嫌になるタイプでした。

そんな夫を怒らせないように気を使い続け30年たった頃、不眠や過呼吸の症状に襲われるようになりました。

大阪大学准教授であり、内科医の石蔵文信さんの診察によると「不調の原因は夫だ」と告げられたそうです。

石蔵医師は、大阪市内で男性更年期外来を開いていますが、付き添いに来る妻も体調不良に悩むケースが多いことに気づき夫婦双方の治療をしています。

妻の多くが専業主婦で、「誰に食わせてもらっていると思っているんだ」と言ったような夫の言動にストレスを感じています。

石蔵医師は妻を見下す夫の態度が原因で体調不良になることを「夫源病」と名づけ、口喧嘩を指導しています。

口喧嘩をすることで、本音を気軽に伝え合うような夫婦げんかは薬より効果があると言っています。

一般的に夫婦関係は、新婚当時は、妻の9割が夫を「心の支えや一心同体」などとプラスの評価をしますが、約20年後には、「世話が焼けて、空気のような存在」とマイナスのイメージに変わります。

夫源病の治療には、「夫婦げんか」を勧めていますが、夫婦げんかには大きく分けて3のタイプがあると言います。

●怒りや嫌悪感の残る「破滅型」
●和解の道を探り合う「建設型」
●意思疎通をしなくなる「回避型」

お互い全く違った環境で育つ二人が夫婦になるのですから、衝突するのは当たり前で、お互い歩み寄るためには、和解の道が必要です。

ところが、日本で一番多いのは、「回避型」で、お互い意思疎通をしなくなるタイプです。

夫婦関係を上手く維持していくためには、和解の道を探り合う「建設型」の口論が必要で、この口喧嘩こそが「夫源病」の特効薬のようです。