今回のたけしのみんなの家庭の医学のテーマは、長引いてなかなか治らない症状。その影には、恐ろしい病気の可能性が・・・というスペシャルです。
「腰がいたい」「めまいがする」「頭がいたい」などと言う症状は、あまりにも日常的に起こることが多いため、ついつい後回しにしてしまいますよね。
突発的なものでないから、忙しさのために見逃してしまう・・そんな病気の怖さを、名医たちはズバッと指摘してくれます。
激しい腰痛&かゆみ 実はガンだった
はじめは「加齢による圧迫骨折」と診断された“腰痛”だったがある恐ろしい病と診断!
脊椎圧迫骨折は、加齢により骨粗鬆症が進んで脊椎が弱くなって押し潰されるように変形してしまう骨折です。中高年以降の女性は特に圧迫骨折の可能性が高いので、このような診断が下ることがあります。
腰痛治療の名医 福島県立医科大学 大谷晃司先生の診断したこの患者さんのケースでは・・・腰痛みが1日中痛むことから、血液のがん、多発性骨髄腫を疑いました。
実は、腰の痛みは、姿勢を変えれば痛みが和らぐものと、変わらず痛むものの2つに分けられます。
腰痛の9割の患者さんは、姿勢を変えれば痛みが和らぎます。
姿勢を変えても腰が痛い残り1割の場合には、菌やウィルスによる炎症や、腫瘍・がんの可能性が大きいそうです。
さらに、骨粗鬆症の進行を加速させてしたことから、血液検査を実施したところ、血液のがん多発性骨髄腫が判明したそうです。
腰痛のポイントは、腰痛以外に他の症状があるかどうかで見分けます。
腰痛+足のしびれ→神経の圧迫が原因
腰痛+痛みの強さが周期的に変わる→子宮・卵巣
腰痛+発熱→炎症(内臓や脊椎に細菌が混入)
特に内臓と腰痛の痛みは、同じところで感じているので区別がつきにくいので注意が必要だということです。
重苦しい『頭痛』…その原因は「目」にあった!?
「緊張型頭痛」と診断され、薬を服用していたが、症状は悪化する患者。目の状態と問診から、頭痛の真犯人を暴き出す!!
患者さんは、後頭部が締め付けられるような頭痛を覚え近くの内科医にかかったろころ緊張型頭痛と診断されました。
薬を処方されても一向に症状が改善せず、大きな病院で血液検査やMRIをしても何の異常が見つからず、その後、20以上の病院や診療科をわたり歩きました。
そして、ついに梶田眼科の梶田雅義先生にたどり着きました。先生の問診から、頭痛が起こるのは仕事でパソコンを使っているときで近くを見ているときであることが判明。
さっそく、物を見るときの目の筋肉の状態を調べる眼調節機能解析装置を実施したところ、目の筋肉が判明しました。
患者さんの原因をたどっていくと、7ヶ月前の追突事故によるムチ打ち症にありました。
そしてくだされた診断は、バレリュー症候群でした。バレリュー症候群とは、強い首への衝撃により首にある交感神経が過剰時緊張し暴走してしまうことで起こる病です。
その結果、目や耳など様々な器官に影響して頭痛などを起こしていたのです。
かゆみのある『湿疹』
はじめは単なる「痒みのある発疹」と診断されたが、命に関わる恐ろしい病と診断!その病とは?
患者さんはかきむしるほどの痒みと、掻くほどに増えてくる赤いポツポツ。
そこで下された診断は、アレルギー反応によっておこる痒疹(ようしん)でした。
しかし、まったく改善されず、広がり続ける赤いポツポツに皮膚のスペシャリスト 木沢記念病院 北島康雄先生をたずねました。
先生は肘や膝に多く発疹が多いことから、虫メガネ全身を見たあとで内科でMRIやレントゲン、血液検査を実施し下された診断は悪性リンパ腫、血液のガンでした。
悪性リンパ腫は、何らかの原因でリンパ球がガン化増殖してしまう病気です。そして、リンパ管や血液を通じて、ガン細胞が全身に運ばれてしまいます。
毛細血管を流れるガン細胞が皮膚を攻撃して壊死させてしまうため赤いボツボツがでてしまうのです。
この悪性リンパ腫は、専門医でも痒疹となかなか区別がつかないそうです。
よくある発疹やかゆみの影に、このような重篤な病気が隠されていることがあるので注意が必要だということです。
加齢による『不眠』
実は脳に血の塊が!?薬を飲んでも寝つきが悪く、直近の記憶さえも抜け落ちる…。患者の脚を書道の筆でなでることで導き出した病とは!?
不眠の名医 久留米大学付属病院 内村直尚先生の診断は・・その病気とは、俳優の若林豪さんがかかったことのある慢性硬膜下血腫でした。
慢性硬膜下血腫は、脳の硬膜とくも膜の間に出血がおき、膨れ上がった血の塊が脳を圧迫し、記憶障害や麻痺が起こる病気です。
じわじわと少しづつ出血するため、症状もなかなか現れず、判別できないそうです。若林さんの場合には、原因となった車の追突事故から1ヶ月を経過してから、ようやく判明したそうです。
手術して、硬膜とくも膜のあいだから血を抜くことで治療することができます。
なかなか治らない症状に隠されている本当の病名。ちゃんと治療をしても治らない。これを解決するのは、セカンドオピニオンを受けることが大切ですね。