人類最大の病魔「ガン」。

早期発見すれば、完治する可能性が高くなったものの、決定的な治療法は未だ確立されていません。

世界中のガン患者の方が、がんの決定的な治療法ができるのを、首を長くして待っています。

点滴

最終治療法として注目される免疫療法

今、人とガンとの闘いは最終段階にあると言われています。注目をされているのは「免疫療法」です。

免疫療法とは、人が本来持っている免疫細胞を機能させ、体内の異物であるガンを攻撃しようというものです。

ガン細胞は、免疫細胞からの攻撃を免れるため、いろいろな防御機能を持っていると言われています。

その「がんの防御機能」を壊し、身体の免疫細胞を使ってやっつけようとするのが、免疫療法です。

免疫療法には、いろいろな方法があり、今世界中の研究機関が決定的な治療法を目指して開発しています。

世界が注目する「光免疫療法」 研究者は日本人 小林久隆先生

米国の国立衛生研究所(NIH)が、今全力で研究開発しているがん治療法があります。その治療法とは「光免疫療法」といいます。

研究しているのは、アメリカ国立衛生研究所主任研究員小林久隆先生ら日本人の研究グループです。

「光免疫療法」は、オバマ前大統領が2012年の一般教書演説で、革新的ながん治療法として紹介したことで世界中から注目されました。

身体に安全な近赤外線を照射してガンの防御機能を破壊

「光免疫療法」は、身体に安全な近赤外線を使って、がん細胞の防御機能を壊すことでがん細胞をやっつけようというものです。

がん細胞を守る機能として「制御性T細胞」という細胞があります。

がん細胞は、この防御機能を使って免疫細胞からの攻撃を避け、増殖しているのです。

「光免疫療法」は、光を使ってガンの「制御性T細胞」を破壊し、がん細胞をまる裸にして免疫細胞にやっつけさせるのです。

治療法は、がん細胞だけに結合する抗体に「IR700」という色素を加えて、体内に送り込みます。

抗体は、体内に散らばるがん細胞に取り付きます。取り付いた後、IR700が反応をする波長の近赤外線を照射します。

そうするとIR700が化学反応を起こし膨張、がん細胞を守る「制御性T細胞」を破裂することで、がん細胞の防御機能が失わせます。

防御機能のなくなったがん細胞は、体内の免疫細胞から一斉攻撃をうけ、わずか1~2分の間で死滅してしまうそうです。

光免疫療法は身体には負担なく通院で治療できる理想的な治療法

現在、がんの治療法には、外科手術、放射線療法、化学療法がありますが、いずれも身体への負担が大きなものになります。

光免疫療法は、近赤外線という安全な光を使いがん細胞のみを破壊するため、身体への負担はほとんどないそうです。

また、がんの種類を問わず、がんの8~9割に適応でき、ステージ4という末期段階の人でも治療できる可能性をもっているそうです。

「光免疫療法」は、現在米国で治験しており、3、4年後の実用化を目指しているそうです。

がんと人との最期の闘い 決着までもうすぐ

本当にあと少しで、夢のがん治療薬が登場するところまできています。

先日、亡くなられた小林麻央さんも、どれだけ新薬の登場を待ち望んでいたことでしょう・・・。本当に残念です・・。

光免疫療法については、テレビ朝日「羽鳥モーニングショー」で6月29日に紹介された内容を参考にまとめさせていただきました。