40過ぎると目に見えてパワーダウンしてきますよね。階段の昇り降り、残業続き、息切れ、体の部品が次々に壊れてきます。
中高年っていうのは、修理しても修理しても、次々と故障がでてくるポンコツ車のような感じですよね。
実は、最新の研究でこのポンコツ状態に歯止めをかける、カギを握る物質がわかってきました。
それは、細胞の中に生息する「ミトコンドリア」という生き物です。
<ミクロからマクロまで、実物の生物を多角的に観察できる生物まるごと資料館よりお借りしました>
ミトコンドリアは、ほとんどの生物の細胞のなかいる細胞内構造物質で、体のスタミナや老化などのカギを握っているそうです。
ミトコンドリアという名前は、高校の生物で習ったような気がしますが、植物のようなもの・・虫みたいなもの・・という理解で、自分の体の中にいるとは思ってもみませんでした。^^;
ミトコンドリアは、大腸菌と同じ細菌の仲間で、生物の体の中に入って共生しエネルギーを創りだしています。
人間の場合には、1個の細胞の中に約2000個のミトコンドリアが入っているそうですから、とてつもない数ですよね。
最新の研究では、ミトコンドリアが、人の健康や老化、認知症にいたるまで、大きく影響していることがわかってきました。
ミトコンドリアを増やし活性化させれば、いつまでも健康で、老化や認知症も抑えることができるそうですから、その方法を覚えて、ぜひ実践していきたいですよね。
増やすには、運動、カロリー、姿勢など、いくつかのポイントがあるようです。
ためしてガッテンでは、人間スタミナのカギを握る「ミトコンドリア」を紹介してました。
ミトコンドリアでパワーアップ ためしてガッテンの番組内容
スタミナをアップさせるには、細胞の中にあるミトコンドリアを増やすことがポイントです。
ミトコンドリアは、食事から得た脂肪や糖、呼吸で取り入れた酸素を使い、体を動かすエネルギーの元であるATPという物質を作っています。
エネルギーが使われ、細胞の中のATPの量が減ってくると、その量を監視している酵素のスイッチがONになり、多くのATPをつくりだすためミトコンドリアを分裂させて数を増やしていきます。
ATPが増えると、より大きなエネルギーがでるようになり、疲れにくくタフで健康な体になっていきます。
ミトコンドリアの量は、30代以降に減っていきます。そのため中年以降になると疲れやすくなってしまうのです。
しかし、ミトコンドリアは、酵素スイッチをONすれば、いくつになっても増やすことができます。
最低1分の運動でミトコンドリアを増やすスイッチON
細胞の中で、ATPがなくなるとミトコンドリアを増やす仕組みが働きます。
日常生活で手軽にATPのスイッチをONさせるには、体への負荷を1分間かけることです。
例えば、早歩き。毎日の買い物の生き帰りに1分間だけ、早歩きを行います。1分するとミトコンドリアを増やすスイッチが入るので、あとは普通の速度でOKです。
体にこまめな負荷を何度もかけてあげると、ミトコンドリアは増え体力がついてきます。
●ミトコンドリアを増やす運動
・1分程度の早歩き
・階段の一段抜かし
・10回程度のスクワット
・背筋をピーン伸ばす姿勢を続ける(姿勢を維持する筋肉にはミトコンドリアが多い)
●ちょっときつめの運動を続けていると
1週間後・・汗をかきやすくなり夏バテ防止に
2週間後・・体重1キロ減少
1ヶ月後・・歩くのが楽になる
2ヶ月後・・体が疲れにくくなる
夏の暑い日の早歩きは、熱中症になる危険性があるので、朝夕の涼しいときに行ってください。
カロリー制限でミトコンドリアを増やす
ミトコンドリアは、体に空腹を感じるとミトコンドリアが危険を感じて増えていきます。
実験では、1日の消費カロリーから25%引いた食事を3週間続けてもらったところ、筋肉中のミトコンドリアが31%も増えていました。
まず、カロリー制限をすると長寿遺伝子がONになります。その長寿遺伝子がONになると、その働きでミトコンドリアが増えるそうです。
つまり、ミトコンドリアを増やすには、体のエネルギーが足りないと感じさせることが大切です。
通常の食事をしていれば、ミトコンドリアがATPを作るために必要な食事量は足りているので、カロリーを25%減らしも問題ないそうです。
ただし、痩せ過ぎの人は危険ですので、やめてくださいとのことです。
食事の摂り方の目安として、65歳まではカロリー制限をし、65歳を過ぎたら肉などのタンパク質の多い食事を心がけると良いそうです。
ミトコンドリアの働きを助ける栄養素
・タウリン
・ビタミンB群
・鉄
タウリンが足りないと、ミトコンドリアは増えてくれません。タウリンはイカやタコに含まれています。ビタミンB群や鉄は、ミトコンドリアがATPを作るために必要な栄養素です。
ミトコンドリアは、スタミナの元になります。日常生活のちょっとした運動や食事で増やすことができますので、ぜひ試してみてください。