いま、ますます増えている高齢者のうつ病。
その症状は、若い人に比べ多彩です。
●順天堂越谷病院 高齢者うつ専門外来 馬場元先生の話
本人も自分が「うつ」ということを自覚してないことが多いんです。
気持が落ち込んだりという自覚症状が少ないせいもあります。
気分が悪いと身体の気分が悪いからだと判断してしまうんですね。
そのため、内科とか体の病気を診る病院を転々としてしまいます。
●国立精神・神経医療研究センター 大野裕先生の話
60歳になると環境の変化に脳が柔軟に対応できないため
うつになる方が多くなります。
持病をもっている方の場合には、それがストレスになって
うつ病のきっかけになってしまうこともあります。
●高齢者のうつの原因
・環境の変化
・病気
・身内や友人の死
・社会的役割の喪失
●高齢者のうつ特徴
・興味の喪失 思考低下 睡眠障害 食欲低下
・不安感は焦燥感が強い
・憂うつな気分が目立たない
・身体の不調を訴える
仮面うつ病
身体の痛みの影に、こころの病であるうつが隠れてしまう
ので注意してください。
仮性認知症
うつのために物忘れの症状がでてきて、
認知症と間違ってしまう方もいらっしゃいます。
うつは気分の障害、認知症は脳の障害で
病気の種類が違います。
●うつ病と認知症の見分け方
質問に対する答えがわからない時
うつ病→わからないと答える
認知症→取り繕う
物忘れした時
うつ病→自覚症状がある
認知症→自覚がない
症状の進行スピードは
うつ病→急に
認知症→ゆっくり
●どのように治すか
・周りの人のサポート
・適切な薬による処方
・地域の中の役割をになう
・運動をする(体を動かす)
男性の方の場合には、なかなか診てもらわないので
症状が悪化することが多いそうですから、お気をつけください。
おかしいなと思ったら、精神科か心療内科で診てもらってくださいね。