食べ過ぎや飲み過ぎでおこる胸焼けは誰にでも経験ありますよね~。

これらの症状が起きたとき、まず最初に疑われるのが逆流性食道炎です。

逆流性食道炎は、食道と胃の境目で胃酸が逆流しないように弁の役目をしている、下部食道括約筋が弱ってしまい、うまく機能できず胃酸が食道の方に逆流してしまう病気です。

食道は、胃のように酸から守る粘膜がないため、すぐに炎症を起こしてしまいます。食事や肥満、姿勢や加齢などが原因と言われています。

この場合には、胃酸の分泌量を抑える薬で治療します。

食べ過ぎ

しかし、いくら薬を飲んでも治らないケースがあり、どうやら、今回の胸焼けの原因は、逆流性食道炎ではなさそうです。

実は同じような症状を引き起こす病気に「呑気症」(どんきしょう)という病気があります。

呑気症は、唾液を飲み込むときに空気を同時に飲み込んでしまい、胃の中に空気が溜まってしまい起こる病気です。

通常の人の場合には、胃には50ccほどの空気しかたまらないのですが、呑気症の人は、300cc~500cccも溜まってしまいます。

そうすると胃が膨らんで膨満感があり、胃や腸の不調ばかりでなく、心臓が圧迫され痛むこともあります。

胃に空気が溜まってくると、胸が詰まったような感じがして、またツバを飲み込んでしまうため、どんどん悪循環になってしまいます。

原因は、ストレスや緊張などが原因で奥歯を噛みしめる人に多く、発症するそうです。

はたして、今回の胸焼けの原因は何なのでしょうか・・。NHK「ためしてガッテン」で教えてくれました。

新しいタイプの胸焼けが急増

推定患者数500万人以上、高齢者も女性もかかる新しいタイプの胸焼けが増えています。

新しいタイプの胸焼けは、食事を内容を変えたり、お酒をやめても、胃酸を抑える薬を飲んでも症状は悪化していきます。

●新しいタイプの胸焼け症状
・ムカムカに加え殴られたような鈍痛
・日中ずーっと続く
・胃酸を抑える薬を飲んでもきかない

食道を内視鏡を見ても、炎症もなくきれいな状態なので診断した結果「気のせいでしょう」と言われてしまいます。

そして、このニュータイプの胸焼けの人がやってはいけないことは、逆流性食道炎には効果がある、唾液、水を飲むことです。

胸焼けの正体はゲップ

実は、ニュータイプの胸焼けの原因はゲップです。原因は空気が逆流して起こります。

食道の上には、TRPV1というセンサーがあります。TRV1センサーの役目は、腐ったような酸性の強いものや毒物など身体に危険なものが入ってきたときに察知して「オェ~」と吐き出します。

ところが、ストレスなどの原因で、TRV1センサーが誤作動を起こし知覚過敏になることがあります。

そうなると、ゲップに過剰に反応し胸焼けがおこり、さらにストレスがおこり、また胸焼けをおこし・・という悪循環をおこしてしまいます。

ですから、ニュータイプの胸やけは、ストレスがなくなると軽減します。

げっぷは、空気の飲みが原因ですから、ツバを飲み込んだり、水も飲んだりすると、さらに空気が胃にたまり悪循環となります。

胃液逆流タイプと、げっぷタイプの見分け方

【胃液逆流タイプ】
・食後の不快感
・市販薬が効きやすい

唾液、水を飲む対策・・・○(胃酸中和)
治療薬・・・胃酸分泌抑制剤

【ゲップタイプ】
・食後以外でも不快感
・腕の上部の症状
・市販薬が効きにくい

唾液、水を飲む対策・・☓(げっぷ増)
治療薬・・食道粘膜保護薬 抗うつ薬

逆流の予防法

逆流は、食道と胃の境界にある噴門が開いてしまうため起こります。

【噴門を開かせず逆流を防ぐためには】
①脂肪はいっきに食べ過ぎない
→大量の脂肪は噴門を開いてしまいます。
②猫背に注意
→腹部が圧迫され噴門が開いてしまいます
③肥満
→同じように腹部を圧迫します。

特に、食べた後は、特に猫背ににならないように注意してください。また、食事のあとに休憩をとるときは、左を下にして寝てください。

「食べた後は右下にして横になる」と理解して人が多いですが、食後の休憩は、「左下にして腕枕で頭を上げて寝る」です。お間違えのないように!