誰もがその恐怖から逃れられない「金縛り」。夜中突然目を覚ますと、まったく身体が動かない・・・。
「ヤバイ・・」と思っても手遅れ、口がきけない、動けない。身体に何かのしかかっている感じ・・・。
家でならいいですけど、私は地方の古い旅館に泊まったとき、金縛りがおきてパニクったことがあります・・・。^^;
絶対に、この部屋に霊が取り付いている・・・。なんとか金縛りから抜けだし、その夜は電気をつけて一晩起きていました。
金縛りは、現在の科学で脳と身体の睡眠タイミングのズレから起こるということが証明されており、正式には「睡眠麻痺」といいます。
原因は、不規則な生活や睡眠不足、ストレス、また思春期の女性がなりやすいと言われています。また、眠りの浅い段階や、夜目覚めたときになりやすいそうです。
また、あお向けで寝る人は、ないやすいので、横向きで寝るといいそうです。
「しょっちゅう起こるの・・」という人もいるし、一度も経験してない人もいるのは、そういう理由からかもしれませんね。
気をつけなくてはならないのは、身体のある物質がなくなっておこる病気からおこる危険な金縛りがあります。
その病気とはナルコレプシー。場所や時間を選ばず突然ガクンとした強い眠気に襲われる、睡眠障害で脳疾患の一つです。
ナルコレプシーの原因は、睡眠、覚醒をコントロールしている視床下部から分泌される神経伝達物質、オレキシンの欠乏と言われています。
オレキシンが不足すると、睡眠麻痺(金縛り)が起きやすく、その他、睡眠発作、情動脱力発作、入眠時幻覚、自動症、中途覚醒、熟睡困難など、眠りに関するいろいろな症状が現れてきます。
治療には、中枢神経刺激薬の投与で行われますが、まだ決定的な治療法はないようです。
ナルコレプシーは、作家の色川武大(阿佐田哲也)さんや、中島らもさんなどがかかっていた病気として知られています。
再現できる金縛りと病気のナルコレプシー
金縛りになった人は、霊にとりつかれた、黒い物体がのしかかる、宇宙人に連れていかれる、などの感覚に襲われます。
症状は、耳なり、声が出せない、重さを感じる、手足のしびれ、縛られた感じなど、人それぞれですが、共通では動こうと思っても動けないということ。
江戸川大学の福田一彦先生によると、金縛りは、原因がわかっているので自在に再現できるといいます。
●金縛りを起こすための条件
①金縛りになりやすい人
②何回も寝たり起こしたりします。
③明け方に寝る
●金縛りのメカニズム
金縛りは、頭は起きているけど、身体が完全に寝ている状態の時に起こりやすいそうです。
つまり、金縛りとは、脳だけが寝そこねた状態。その状態は、脳波計と筋電図で判断できます。
●金縛りになりやすいとき
・不規則な睡眠時間(睡眠のリズムが狂ってしまう)
・長すぎる昼寝(夜浅い眠りになってしまう)
・あお向けで寝る(ヨコ寝は向きを変えるため成りにくい)
物が乗っていると勘違いするのは、呼吸が乱れを重さと脳が勘違いしてしまうためです。
●病気が原因の金縛り ナルコレプシー
子供の頃から、日中の眠気に襲われている人は病気の可能性があります。
その病気に気がつくまで、皆さん怠け者やヤル気がないと言われ苦しんできたそうです。
それは、脳の中のオレキシンが少なくなってしまうことで起こる、ナルコレプシー(過眠症の一種)という病気です。
夢スイッチの制御や覚醒の維持ができなくなってしまいます。
日本では約20万人いると言われてますが、自分がその病気に気がついているのは、わずか5%だそうです。
ナルコレプシーの人は、日中でも興奮したときなど突然、全身の力が抜けてしまうことがあります(情動脱力発作)。
日中の眠気+週1回以上の金縛りは、ナルコレプシーのサインかもしれないということです。
治療は、薬を飲むことで、日常生活を問題なく送れるようになります。気になる人は、精神科、神経科、心療内科に相談してください。