健康診断を受けるとわたされる健診検査結果。基準値から外れた場合は、H(高い)L(低い)などで表記されます。
数値の状態に応じて、経過観察、要検査などの医療指導がありますが、実際のところ、この健診結果を見ても記号ばかりで何なのか、よくわかりませんよね。
兵庫県尼崎市では、健診結果をだれでも理解できるようにチャート化することで、新たに病気になる人を大幅に減らすことに成功し話題になりました。
尼崎市では、検診結果構造図をまとめ、人工透析にならないための健診結果チャート表で「尼崎市検診結果構造図」を作成しました。
検査結果をチャート表に階層的に記入することで、検査結果と病気との関連性が、ひと目でわかるようになっています。
検査結果の数値は4段階で色付きで表示、チャートに書かれた矢印をたどっていくと、将来どんな病気になる可能性があるのかそして今自分がどの段階なのかが一目でわかります。
記入される数字も、危険度に合わせて色別に記入されています。
【最上段】
最上段は、健康障害 絶対にたどり着いてはいけない階層です。慢性腎臓病、糖尿病合併症、閉塞性動脈硬化、脳卒中、心臓病などの項目が並びます。
【第三階層・第二階層】
第三階層は、血管の変化が現れる段階です。第二階層は、血管が痛み始める段階です。この段階にあるとわずかでも異常があると、上のステップに進んでしまいます。
【第一階層】
第一階層は、潜在的に進行の段階です。
検査結果でも、特に注意が必要なのが、LDLコレステロールです。
LDLコレステロールが高いと、血管にダイレクトに悪影響を与えるのでこの数値が高い人には、具体的な食事指導が行われます。
コレステロールの摂取量は普通の人の場合は300mgですが、LDLが高い人は、200mgに制限されます。
コレステロール高い食品は、小魚のちりめんじゃこです。卵なら半分、牛肉なら50g程度の量となります。
また、血圧と血糖値にも注意が必要です。血糖値が正常値内であっても、内臓脂肪が多い人は、かくれ糖尿病の可能性があります。
かくれ糖尿病は、75g糖負荷検査をすることで判断することができます。
糖負荷検査は、人間ドックでの追加する場合は、9000円。治療での3割負担では、2700円かかかります。
動脈硬化の指摘をうけた人は、眼底検査やけい部エコー検査などにより、血管状態を調べることになります。
けい部エコー検査は、人間ドックで追加した場合5500円、治療の場合には3割負担で、1500円で行うことができます。
尼崎市では、健診の促進と健診後のフォローシステムで、1人当たりの年間通院費用額を約8000円下げることができたそうです。
さらに、若い人の健康診断をアップさせるため、コンビニエンスストアに検診車を出動させ、22歳以下の人には無料で健診をおこなっているそうです。
医療費を増やさないためには、健康でいること。「尼崎市検診結果構造図」のチャート表とフォローシステム、ぜひ全国のシステムとして導入して欲しいですね。