健康診断の数値の正常値が緩和されるようですね。健康診断の結果の数値を緩和するのは、主に、高血圧と脂質異常。

しかし、人間ドック学会と脂質異常症や高血圧など、病気の診断基準を定めている専門学会との意見が分かれているようで私たちは、どちらの数値を信じればよいか分からなくなりそうです。

血圧:
日本人間ドック協会 正常値:上88~147 下51~94
専門学会 正常値:上~139 下~89

中性脂肪:
人間ドック協会 正常値:男性39~198 女性32~134
専門学会 正常値:~149

LDLコレステロール:
人間ドック協会 正常値:男性72~178
女性 30~44歳:61~152 45~64歳:73~183 65~80歳:84~190
専門学会 正常値:~139

例えば、高血圧を見ると、高いほうの血圧が145の場合、今まではアウトでしたが、新しい基準では正常値になります。

確かに、すこし太り気味で、コレステロール値も多少高いほうが、長生きすると言う統計データーもあるようで、元気なシニアはぽっちゃりしています。

しかし、数値が高い人は10年後に心筋梗塞になるリスクが高いことが分かっており、治療が必要な人が放置される懸念があります。また、正常値が複数あると、混乱を招くとも言われています。

確かに、私たちは、異常と診断されれば気を付けますが、正常と診断されると油断します。特に境界線にいる予備軍にとっては、正常か異常かの判断は、大きな問題になりそうです。薬を飲むか飲まないかにも影響しますよね。

日本は、生活習慣病の薬の使用が世界のトップレベルであることを考えると、境界線の数値が変更されるだけで、医療界の経営にも影響が出かねません。

医師会と医薬品メーカーの利益のための基準値であって欲しくはありませんけどね。

薬を飲まないで、生活習慣だけで病気を予防するのが理想ですが、それもなかなか難しいですね。

将来、心筋梗塞や脳梗塞になってしまってからの医療費と予防のための医療費にどれほどの差があるかわかりませんが、病気になってからの医療費は膨大です。国にも個人にも大きな負担がのしかかります。

私は、脂質異常を指摘されていますが、ちょうど境界型。高めで推移しているのでLDLコレステロールを下げる薬を飲んでいますが、基準が変われば、これもどうなるかわかりません。

数値に囚われすぎるのも良くありませんが、基準がないと困るのも事実。境界線の人は、正常でも異常でもない、「予備軍」ととらえて、最低でも基本的な生活の見直し、喫煙や節酒、運動、快眠を心がけ、栄養のバランスの取れた食事をしたいものです。