誰でも一度や二度は経験する「ひざ痛」。この年齢になると、「もはや老化」とあきらめ気味ですよね。
痛くても、湿布や温熱療法などで我慢して暮らしている人が多いのではないでしょうか。
年齢とともに正座ができない、一度深く座ってしまうと膝が痛くて立ち上がれない、階段が下りられないなど良く耳にする話です。
太りすぎは膝に負担がかかるので、とにかく痩せなさいと言われた経験、ありますよね~。
ところが、そんな老化によるひざ痛だと思っていたら、まったく違う原因から、骨折をしていたというケースがあるそうです。
たけしのみんなの家庭の医学では、骨折が原因で痛くて歩けなくなり、車いすの生活を余儀なくされた74歳男性の症例が紹介されました。
福島県福島市 福島県立医科大学付属病院 整形外科大田晃司先生がその事例を詳しく説明してくれました。
リンが不足で骨折を繰り返し膝痛に
変形性膝関節症と診断された男性は、半年後には杖なしでは歩けなくなり、車いすなくして移動ができなくなりました。
ちょっと動かすだけで激痛が走り、家に引きこもり、寝たきりの状態に。
そこで、整形外科の名医と言われる大田晃司先生の元を尋ねました。大谷先生が診察して気になったことは2つ。
①横になっていても膝が痛む
②身体の様々な場所が痛む
この膝痛の裏に隠れていた本当の病名は、【低リン血症性骨軟化症】でした。
この病は、血液中のリンが尿と一緒に体の外に出てしまい、全身の骨がもろく、柔らかくなり、骨折を起こすというものです。
リンが不足した骨は、まさに【骨なし】状態。
74歳男性の左膝の激痛の原因は、膝回りのいくつもの小さな骨折だったのです。
男性は、低リン血症性骨軟化症の治療をすることで膝の激痛が取れ、また元の生活に戻ることができたそうです。
足のしびれの原因は前屈するとわかる
44歳女性の悩みは、今でも続く「足のしびれ」です。
女性の足のしびれの経緯は、
①5年前腰から左足の付け根にかけて激痛。整形外科で腰の椎間板ヘルニアと診断
②ブロック注射で激痛は治まったが代わりにしびれが出てくる
③鎮痛剤を処方されたが、左足の裏の小指からかかとにかけてしびれている
大田晃司先生は、足のしびれの原因は、「前屈するとわかる」と言います。
【前屈テスト】
前屈をして痛くない場合は、ヘルニアは治っていると判断されます。
この44歳女性の場合は、まったく問題なく前屈ができましたので、足のしびれの原因は、【神経障害性疼痛】と診断されました。
神経性障害疼痛は、ヘルニアなどが治ったあと傷ついた神経が興奮し、電気信号を発信し、痛みを誘発している状態です。
この神経性障害疼痛の治療は、この神経の興奮を抑える【抗てんかん薬】が効果的だと言います。
ひざ痛、しびれ、私たち世代の悩みのベスト10に入る項目。この際、いろいろ勉強しておきましょう。