寒くなってくると、筋肉や関節も固くなり、ちょっとしたことで、痛みがでてくるようになります。寒さの厳しい冬は、ひざに保温サポーターなどをつけたりしている人も多いのではないでしょうか。
ひざ痛の原因の一つ変形性ひざ関節症は、予備軍を含めると、2500万人もいるそうですよ。膝が痛いと歩くのがつらくなり、外出もおっくうになります。特に階段の下りなどはツライですよね。
でも、「ひざが痛いので安静にする」いうのは大間違い。痛いからこそ、しっかり動かすことが大切だそうです。
順天堂大学整形外科 石島旨章先生が家で、「L4YOU!」(テレビ東京)で簡単にできる「膝痛撃退運動療法」を教えてくれました。将来の寝たきりを予防するためにも、しっかり鍛えておきましょう!
ひざ痛解消には運動療法
ひざが痛むからと言って、安静にばかりしていると「ひざ痛の悪循環」に陥り、やがて歩けなくなってしまいます。
ひざ痛の悪循環とは、痛む→力が入らない→安静にする→筋肉が減る→軟骨がすり減る→を繰り返しながらどんどん症状が悪くなり、外出もしなくなって、ついには、寝たきり状態になってしまいます。
ヒザに痛みがでる要因としては、・65歳以上・女性・肥満・遺伝・O脚などですが、「ヘバーテン結節」の症状から痛む方もいます。
ヘバーテン結節は、指の第一関節が太く変形してしまう病気で手の指に変形がある人は、ヒザも変形しやすいという傾向があります。
症状は関節リウマチによく似ていますが、リウマチの場合には、指の第二関節に変形が見られるので、判断がつきやすいそうです。
変形性ヒザ関節症の検査
①触診・・触診して、ヒザの状態を確認します。
②X線撮影・・軟骨のすり減り具合を確認します。
③MRI検査・・X線で変形が見られず痛みがある場合にはMRI検査を行います。
最新の検査方法として「T2マッピング」があります。T2マッピングは、 軟骨のコラーゲンや水分の状態などを色で判別できるため初期段階でのヒザの状態をチェックすることができます。
ヒザ関節の変形を確認方法
平な面に座った時にヒザが床につかない人は、ヒザの可動域が狭くなっています。
変形性ひざ関節症の治療は・・
変形性ひざ関節症には、鎮痛薬、弱オピオイド、ヒアルロン酸などの治療薬があります。
変形が進んでしまって歩けない場合には、手術して「人工関節」を使って骨の角度を矯正することが必要です。
ヒザに負担をかけない運動
●あし上げ体操
①あお向けに寝て片方のヒザを直角に曲げる
②伸ばした脚は足首をしっかり持ち上げゆっくりと10cmほど上げて5秒キープ
③ゆっくり脚を下ろして2~3秒間休む
内ももに力をいれ、脚を高く上げ過ぎないこと
●横上げ体操
①腕を楽な位置に置いて横になり下のヒザは直角に曲げる
②上の脚を床から10cmほど上げて5秒間キープ
③ゆっくり脚を下ろして2~3秒間休む
横上げ体操で、体を上に向けると腹筋に力が入ってしまい効果がでません。左右20回ずつ繰り返す
●ボール体操
①ボールを床に付けて太ももの間に挟む
②軽くヒザを曲げ、ボールを5秒間押しつぶす(20回)
ポイントは、内ももに力を入れる。クッションや枕でもOKです。
1日2回 朝夕それぞれ15分程度行います。この運動を続けると、ヒザに痛みのない生活を5年~10年過ごせます。
太もも裏のストレッチやアキレス腱伸ばしも効果的です。早い人で1ヶ月、通常で3ヶ月程度で改善することができます。
痛みがなければ負担のない程度でウォーキングをします。O脚で悩む人は、整形外科を受診して足底板を作ってもらうことでヒザの悪化を防ぐことができます。