世界一受けたい授業では、「冷やすと得する栄養学」と題して、冷やす事によって、食物繊維効果がアップするという不思議な物質「レジスタントスターチ」が紹介されました。

今回の講師は、岐阜大学教授 早川享志(はやかわたかし)先生です。

レジスタントスターチとは、腸の中で消化されないでんぷんのことで、生のジャガイモや成熟していないバナナに多く含まれています。

不溶性の繊維が豊富で、便の量を増やし、腸内細菌の栄養になることで腸内環境を整える働きがあるので、便秘に効果があります。

他にもレジスタントスターチには、血糖値の上昇を抑制する作用や、血中脂質を低下させる作用があるので、生活習慣病の予防につながります。

こんな素晴らしい物質「レジスタントスターチ」ですが、生のジャガイモや未成熟のバナナはさすがに食べられませんよね。では、私たちはどうすればよいのでしょう。

ところが、うれしいことに結構簡単に摂ることができるようです。それは、食材を冷やすこと。冷やすと言うと、何度くらいかと言うと4℃~5℃くらい。冷蔵庫で冷やした温度です。

でんぷんを含んだ食材が冷えるときにでんぷんのうちの約20%ほどが、冷めて行く経過の中でレジスタントスターチに変化するそうです。

ですので、温かいご飯を食べず、冷えたご飯を食べたほうがレジスタントスターチを摂ることができるということですね。

世界一受けたい授業では、「冷たくする事で栄養がアップする食べ物」が色々紹介されました。

冷やすと栄養効果がアップする食べ物

一番簡単な食べ方は、東北の人が良く食べるという「水まま」。

水ままの作り方:
①ご飯を冷水で洗い、ザルにあげて水を切ります。
②冷えたご飯をおちゃわんに入れ、冷水を注ぎます。
③お漬物などと一緒にいただきます。

食物繊維を上回るレジスタントスターチを多く含む食材には、水溶性の食物繊維と不溶性食物繊維があります。

●水溶性食物せんい
大麦、ゆりね、プルーン、豆きんとん、エシャレット、生にんにく

●不溶性食物せんい
おから、あずき、グリーンピース、ごぼう、キャベツ、さつまいも

これら両方を取ることが理想ですね。

特に、ジャガイモは冷やすと、レジスタントスターチが2倍になるのでポテトサラダはお勧めです。

お米の中でも、レジスタントスターチが一番多く含まれているのは、タイ米です。日本のお米なら、玄米を混ぜるとレジスタントスターチが多く摂れます。

便秘にも効果があり、血糖値の急激な上昇を抑え、生活習慣病も予防できるレジスタントスターチ、ぜひチェックしておきたいですね。