名医がプライベートにやっているお風呂の入り方と題して、林修の今でしょう講座で教えてくれた「医学的に正しい入浴法」をご紹介します。

正しい入浴法

睡眠と入浴の関係

正しいお風呂の入り方をすれば、ぐっすり眠れるし、間違ったお風呂の入り方をすると寝つきがわるくなります。

ぐっすりと眠りたければ、お風呂のに入るタイミングが大切です。

寝る2時間前に入浴する

入浴すると深部体温が急激に上がり、その後体温は急激に下がります。

この落差が大きいほどぐっすり眠れます。

急激に下がったあと安定する時間帯に眠るとぐっすりと眠れます。これは、入浴後2時間後に訪れますので、寝る2時間前に入浴するのが最適です。

背中をゴシゴシと洗う

肩甲骨周りには多くの筋肉が繋がっています。よって、肩甲骨を動かすことで体の中から温まると言うわけです。

背中をゴシゴシ洗った後は、体温が0.6度~1.3度上がったと言います。

お風呂上がりに1杯の冷たい水を飲む

冷たい水を飲むことで体の中から体温を下げる働きがあります。

お風呂上がりで体温が上がったら冷たい水を飲むことで、体温が下がり寝つきが良くなります。

美肌のための入浴法

美肌のための最適な入浴時間は、10分です。

長い時間お風呂に浸かる過ぎると肌の保湿成分が流れ出てしまいます。

肌の水分が減少すると、冬は特に肌荒れに繋がる危険性があります。

42℃のお風呂に入る

42℃のお風呂に入ると、ヒートショックプロテインが作られやすくなります。

ヒートショックプロテインとは、熱の刺激で作られるたんぱく質で、このたんぱく質は、肌を修復する特別なたんぱく質です。

ヒートショックプロテインを多く出す入浴法として、お風呂上がりにバスタオルで10分間保温をすると良いそうです。

毎日この入浴法を続けると、肌が熱刺激に慣れてヒートショックプロテインが出にくくなります。

この入浴法は、1週間に2回程度に抑えると良いですね。

また、足の裏をゴシゴシタオルで洗うことも美肌に繋がります。

足の裏には、腸と肝臓の働きを良くするツボがあります。肝臓と腸は、肌の新陳代謝を高めると言われています。

ダイエットのための入浴法

食後1時間後にお風呂に入る

食事を摂ると血中に糖と脂肪が増えます。そのままにすると中性脂肪として蓄積されてしまいます。

食後の1時間後、中性脂肪になる前に入浴して、糖や脂肪をエネルギーとして燃やしてしまえば、ダイエットに繋がります。

湯船の中で自転車こぎ運動

下半身には、体の60~70%の筋肉が集まっています。

湯船の中で足を動かすと適度な水圧がかかり、下半身の筋肉の効率的な運動になります。

湯船の中で氷水を飲む

湯船で氷水を飲むと、体内に入った氷水を体温近くまで温めるために多くのエネルギーを使います。

水温が低ければ低いほど、体温近くまで温めるのにより多くのエネルギーを消費するため、ダイエットに繋がります。

体臭予防のための入浴法

寝ている間にたまる皮脂に日中かいた汗が混ざり合うと悪臭になります。

朝、暑い温度のシャワーを浴びることで、寝ている間にたまった皮脂を洗い流すことができます。

ぬるいお湯では皮脂が落ちにくいので熱い温度にすることが大切です。

また、首の後ろを入念に洗うことで体臭が防げます。

疲労回復のための入浴

血行をよくする入浴法

疲労物質と言えば、乳酸ですね。しかし、乳酸は悪いことばかりではなく、疲労回復物質を発揮する物質に変化することがあります。

それは、グルコースと言う物質です。人は、グルコースが不足すると疲労を感じやすくなります。

肝臓に運ばれた乳酸がグルコースに変化すると、脳に届いて疲労回復につながります。

ところが、血流が悪いと、乳酸は筋肉にとどまり肝臓まで届かず、グルコースに変化することができません。

そこで、お風呂に入り、血流を良くすることで、乳酸がグルコースに変化し疲労回復が期待できます。

熱い・冷たいを繰り返すと、より血行が良くなります。

42℃で3分入浴した後、20℃の水に20秒手足を付けます。手足だけでOKです。これを2回繰り返します。

あたたかいお湯につかると血管は拡張子、冷たい水では血管が収縮します。

これを繰り返すことで、血管がポンプの役割をし、血行が良くなります。

炭酸風呂

炭酸のお風呂は、普通の水のお風呂より血流が良くなることが知られています。

炭酸風呂は、家庭でも簡単に作れます。

重層(食用)大さじ3杯とクエン酸(食用)大さじ2杯を混ぜてお風呂に入れるだけです。

目安は、200リットルのお風呂の場合です。家のお風呂の大きさで量を加減してください。

風邪のときのお風呂

かぜの時には、40℃のお湯に10分浸かると良いです。

体温が1℃上がると免疫力がアップし、かぜウイルスに対して身体が強くなります。

免疫細胞は、体温が37~38℃の時に活発に働きます。

お風呂に入って体温が1℃上がると体の抵抗力が高まり、かぜウイルスの活動が弱まります。

ハッカ飴をなめながら湯気を吸いこむ

ハッカはメントールと言う成分が含まれます。病院の吸入器でも薬にメントールを入れることが多いですね。

風邪のとき、湯気を吸いこむとタンが出やすくなります。

タンは、ウイルスや菌の温床ですから、タンを出すことで風邪の治りを早くすることができます。

かぜの時は、湯気を吸いこみながら40℃で10分入るのが良いと言うことです。

ただし、38℃以上の高熱の時は入浴は控えてくださいとのことでした。