ベストドクターと言う言葉をご存知ですか?

ベストドクターとは、名医選出制度で選び抜かれた名医中の名医で、医師が選ぶ医師です。

医者も人間ですから体調不良も起こしますし、病気にもなります。

そんな時、医者は自らの体を預ける医者を選ぶことになりますよね。

それこそが、医師が選ぶ医師です。

今回たけしのみんなの医学では、それぞれの疾病のベストドクターが紹介されました。

七尾病院 藤村政樹先生、ハッピー胃腸クリニック 豊田英樹先生、奈良県立医科大学耳鼻咽喉 北原糺(ただし)先生、東京医科大学 境則康先生です。

今回は、この4人の先生をご紹介したいと思います。

長引く咳の原因を突き止めた七尾病院の藤村政樹先生

長引く咳の2大原因を突き止めたベストドクターは、七尾病院の藤村政樹先生です。

藤村政樹

藤村先生は、咳の診断、治療のガイドラインを作成、呼吸器学会の世界に革命とも言うべき影響を与えた医師です。

先生は、長引く咳の2大原因となる2つの呼吸器疾患を発見し、その検査法まで開発した呼吸器分野の先駆者でもあります。

先生は咳の特徴を聞き出し、乾いた咳が長引く時は、「アトピー咳嗽(がいそう)」と「咳喘息」を疑います。

「アトピー咳嗽(がいそう)」と「咳喘息」は、長引く咳の疾病の約7割と言われています。

病名と原因を突き止めるために先生が開発したのは、「カプサイシン」と「メサコリン」の咳感受性検査です。

これは特殊な機械を使い、カプサイシンとメサコリンが入った液体をミスト状にしたものを2回、一定濃度を吸入します。

アトピー咳嗽(がいそう)ならカプサイシンを吸うと、喉の知覚神経を刺激し、咳が出ます。

咳喘息ならメサコリンを吸うと、気管支の平滑筋が収縮し、咳が出ます。

アトピー咳嗽(がいそう)なら1分間に5回以上、咳喘息なら30分間に40回以上咳が出れば確定になります。

咳が出る疾病は色々ありますが、咳が出やすい時間帯がそれぞれ違います。

「アトピー咳嗽(がいそう)」と「咳喘息」は、ウトウトし始めた時と起床2~3時間前に咳が出やすくなります。

先生は、20年を超える歳月をかけて、1000人以上の検査データを集め、飽くなき探求心から長引く咳の原因を突き止めてきました。

先生の診断により、適切な薬を飲むことで完治した患者さんはたくさんいます。

超音波検査(エコー検査)のベストドクター

ハッピー胃腸クリニックの豊田英樹先生は、超音波検査のベストドクター。町のクリニックで大病院並みの検査を可能にした医師です。

先生は、町の人が一番最初にかかるクリニックで、できる限りの診断したいと言う気持ちから、自らの身体で超音波検査の腕を磨いたそうです。

先生がエコー検査によって発見した一例は「盲腸ガン」。

この患者さんは、胃の痛みで胃カメラなどで検査をしていましたが、異常が見つかりませんでした。

そこで、豊田先生がエコー検査で徹底的に調べた結果、「盲腸ガン」が見つかりました。

盲腸ガンは、大腸がんの一種ですが、盲腸は肛門から遠いため症状が出づらいのが特徴です。気づいたときには、転移の危険性もあるガンです。

盲腸ガンが胃の痛みとして現れるのは、脳が勘違いした「関連痛」です。

この女性は、関連痛が現れていたのですね。

その後、女性は大病院でMRIやCTなどで盲腸ガンを確定し、手術をして切除することで事なきを得ました。

エコー検査は、内視鏡と違い負担がないので、診る側もしっかり見ることができます。

始めは想定しなかったような病気が見つかることもあるそうです。

皮膚病研究の鬼 境則康先生

皮膚病研究の鬼と言われているのは、境則康先生です。

境先生は、すずらん皮膚科クリニックを開業の傍ら、毎週木曜日は東京医科大学で「遺伝外来」を担当しています。

遺伝子の異常が原因で起こる皮膚病を専門に診察するのが、遺伝外来です。

たとえば、同じイボでもウイルス性イボと同じような状態の難病「レックリングハウゼン病」と言う皮膚病があります。

この皮膚病を特定できるのは、日本に20人程度しかいない「臨床遺伝専門医」です。

境先生は、高度な専門知識が必要な「臨床遺伝専門医」の1人なのです。

めまいのベストドクター北原ただし先生

北原糺(ただし)先生は、奈良県立医科大学耳鼻咽喉で働くベストドクターです。

先生は、原因不明のめまいを1週間の入院で突き止める「週間検査入院制度」を導入し、原因を100%解明します。

めまいの原因は、1つではないと言います。

めまいに苦しみ1週間の検査入院をした患者さんの本当の原因は、良性発作性頭位めまい症のほか、重症化させていたのは、左足の捻挫でした。

人は普通めまいが起こると歩き方などでバランスを取るのですが、ねん挫などで痛めた足をかばうことでバランスが崩れ、めまいをより悪化させていたと言うことが分かりました。

この患者さんは、整形外科で捻挫を直し、バランスの崩れを治すことでめまいが解消されたと言います。