日本人なら誰でも知っている「うま味」という言葉。この「うま味」が今、世界中から注目されています。
うま味とは、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の一つで、今から100年前、池田菊苗博士によって発見されました。
ダシとして、どこの家庭でも当たり前のように使われていたのですが、その正体がいったい何なのかは、わからなかったんですね~。
うま味の成分は、グルタミン酸、かつおぶしに含まれるイノシン酸、干し椎茸に含まれるグアニル酸など。
ヘルシーで美味しい日本食は、今、世界中で大ブーム。同時に日本食の味を支えているのが、うま味であることが知られるようになってきました。
その奥深い味わいに、世界のトップシェフをうならせ自国の料理に「うま味」の成分が取り入れられるようになりました。
今や、うま味は「UMAMI」として、世界の公用語として使われているそうです。
美味しくないことで有名だったイギリスの航空会社では、機内食にうま味を取り入れたところ、美味しさがぐーんとアップし、大評判になったそうです。
さらに、医療現場にも広がり、ドライマウスやがん治療で味覚障害がおきた人の食生活の支えるなど、その活用法は食にとどまらず医療の分野でも注目されています。
仙台の大学病院では、加齢や薬の副作用で口の中がかわくドライマウスの改善策として「うま味」が利用されています。
ドライマウスは症状がひどくなると、激痛で会話や食事が困難になってしまいます。
そこで唾液をだすために、うま味成分たっぷりの昆布茶を飲用してもらいます。
昆布茶を飲むと、口の中で受容体が感知、反射的に粘り気のある唾液がでてきます。
そうすることで、症状を和らげることができるそうです。昆布茶を薄めにして、1日2~3杯飲むと効果があるそうです。
さらに、うま味は、胃の分泌液にも関係しており、認知症の食事に取り入れたところ症状の改善が見られたそうです。
これは、うまみを感知した受容体が脳を刺激した結果と考えられています。
抗がん剤や放射線治療を受けているがん患者さんには、うまみ成分を強化した食事をとってもらいます。
うまみは、食事を促進し、患者さんの栄養状態を改善、抵抗力の下がるのを防ぐことができると期待されています。
●うま味の含まれている食材
(うま味インフォメーションセンター様サイトより)
海産物~昆布、海藻類(わかめ/海苔)、かつおぶし、煮干し、イワシ、カツオ、サバ、タイ、マグロ、タラ、
エビ、イカ、牡蠣、貝類
野菜~トマト、椎茸、えのき茸、トリュフ、大豆、じゃがいも、さつまいも、白菜、にんじん
肉類~牛肉、豚肉、鶏肉
その他~パルメザンチーズ、緑茶