今回のテーマは、延命治療。私たちの年代の人たちは、
まさしく自分の両親がその年代にあります。
また、いずれ私たち本人にも、その時期がやってきます。
医療技術がどんどん進むなか、延命治療をどうとらえるべきか、
現実の姿をしっかりレポートしてました。
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生き物は、自ら食べることができなくなりますと「死」を意味しますが、
現在、最新医療技術により人工的に水分や栄養を補給し続けるなど
さまざまな方法で延命することができるようになりました。
中でも延命効果が高いのが胃ろうです。お腹に小さな穴をあけ、
そこにチューブをつけ直接胃に栄養を送り込みます。
患者への負担も少ないため、胃ろうをつけている人は現在40万人いるそうです。
病院団体の調査では、胃ろうを作ってから3年以上生きている人が3割、
5年以上の人が1割、10年以上の方もいらっしゃるそうです。
今年3月、日本老年医学会では「患者本人のためにならない場合には
治療の差し控えや撤退も選択肢」とするガイドラインを発表したそうです。
そのガイドラインをどう受け止めるか、本人、家族、医療現場、
それぞれの立場で大変難しいものがあります。
延命治療は一度始めたら亡くなるまで続けるものとされてきただけに、
延命のあり方に一石を投じるものとなっています。
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【胃ろうをしている患者の家族へのアンケート】
問 胃ろうをつけたことについてどう考えるか
わからない、つけなければよかった が半数になった
問 もし医師から胃えろうを止める選択肢を示された場合にはどうすか
3人に1人が止めると答える
声 ・意識はない、手足の硬直、治る見込みなしの身体に
ただ栄養を流し込む姿に、可哀想で見てられません
・はじめは延命の気持ちだったけど、治る見込みのない長期間の延命に
罪悪感を感じる
・延命によって回復して再び口から食べられるようになった
・そこに命があるだけでいい
しかし、病院側では家族の思いだけで中止するのは難しいと考えているようです。
【胃ろうが増える社会的な事情】
・回復の見込みがあるかもしれない
・簡単に栄養が取れるので食事の手間がかからない
・介護の手間がかからない
・退院後に施設への受け入れがされやすい
2011年10月 国立長寿医療研究センターでは、全国でもめずらしい
終末期ケアの専門チームをつくりました。
ここでは、主治医の他、緩和ケア専門の医師と看護士も加わり
患者本人にとって最善の医療あり方を、家族とともに探っていき
終末医療のあり方を考えているそうです。
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本人が苦しんでいる期間をあえて伸ばす必要はないと拒否した妻。
すべて自然がいいと延命治療を拒否された家族。
延命治療の辞退のサインをして、そのまま亡くなられた方。
いろいろな終末に対する考え方、判断をされていた家族への取材があり、
命に対して改めて考えさせてくれる良質の番組でした。