シャーガス病って聞きなれない病名ですね。それもそのはず、日本ではいままで確認されていない感染症です。

日本では確認されていなかったシャーガス病を起こす病原体が、献血の血液の中から確認されたと言うニュースが入ってきました。

この血液を提供した人は、中南米出身の40代の男性です。今回の献血で発見された以前に、今まで9回献血していることが分かっており、そのいずれも陽性だったそうです。

過去9回の献血は、赤血球製剤と血漿製剤などに使われたと見られ、現在赤十字社を通して調査し実態を調べています。

病原体を運ぶサシガメ

シャーガス病は、中南米では一般的な病気で、サシガメと言う虫が病原体を運びます。

sashigame

感染した患者の3割は、10年~20年後に重い心疾患や消化器疾患を起こし、南米では多くの人が命を落としているそうです。

徐々に心臓の細胞を破壊していくので、心臓のリズムが狂ったり、心臓が肥大して心不全を起こしたり、急性期であれば数ヶ月で発症し、突然死のひとつの要因になっていると考えられます。

人間の血を吸った時に出す排泄物の中に寄生虫が含まれ、傷口などから体内に入り込むと言われています。

この病気の厄介なことは、病気が進行すると治療法がなく、自覚症状がないまま慢性期に入ることです。発病が10年~20年後では、いつごろ感染したのか特定もできませんね。多くの人は、感染しても感染したことに気づかないそうです。

サシガメは、カメムシの一種で、多くの場合野山に普通に生息してます。人や動物に病原体の媒介を引き起こしているとされるのは、主に中南米に生息するサシガメで、一部がシャーガス病の病原体を媒介することで知られています。

感染したかどうかを調べるには、日本では大学の研究機関で検査を受けるしかないと言います。

輸血などでの感染の広がりを防ぐためにも、政府と日本赤十字社の調査が待たれるところです。