愛する人が死に直面しているとき、延命はしないでくれと頼まれたとき、あなたはどうしますか?

この映画は、現役の弁護士であり作家でもある、朔立木(さく たつき)さん著書「終の信託」を周防正行監督が自ら脚本を書き、演出したものだそうです。
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折井綾乃(草刈民代)は、美人でしかも患者さんから慕われる呼吸器内科のエリート女医さん。

実は、綾乃は、医師高井(浅野忠信)と長年の不倫関係でしたが結局は捨てられ、自殺未遂までしてしまいます。

そんなとき出会った、重度の喘息患者の江木秦三(役所広司)。いつしか、綾乃は患者江木とは静かで深い愛で結ばれるようになります。

死が近いこと自覚した江木は、「最後のときは早く楽にしてほしい」と、

自らの最後のときを綾乃に託します。

そして、綾乃は、その江木との約束を実行します。

3年経過後、この決断が刑事事件に発展します。そこで問われる綾乃の殺人罪・・綾乃は、殺人ではなく愛であることを語ります。
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「終の信託」は、愛、命、信頼、生きる意味、医療、法、人など、私たちの生活を取り巻いている、すべての意味を根底から考えさせてくれる内容です。

私たちの年代にとっては、本当に真剣に考えなくてはならない内容を、まっすぐな視点で周防監督が届けてくれます