フジテレビ「ザ・ノンフィクション」は、毎回良質のドキュメンタリーを放送してくれ、色々と生きることの意味を教えてくれます。

2012年9月23日の放送の「まりあのニューヨーク~死ぬまでに会いたい人」は、こころを揺さぶられる番組でした。

まりあさんは、ニューヨークでボブと恋に落ちて1987年に結婚。でも、お互いの生き方の違いから別れてしまいました。

まりあさんは、日本に戻り麻生に住んでいたのですが、難病ALSを発症してしまいます。

ALSは、筋萎縮性側索硬化症といい、筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、発症してから数年で自ら呼吸ができなくなり、死んでしまいます。

その病気に侵されたとき、彼女は、20年前に別れた夫ボブにその事実を知らせるため不自由になった身体で、ニューヨークに会いに行きます。

自分の人生の最後に会いたい人に会い・・そして、人工呼吸器の装着を望まず53歳という若さで、旅立っていったまりあさん。

彼女の言葉の一つひとつに生きることの意味を考えさせられます。

「来年の今も生きたいと思ったことは、これまでなかった・・」

「子供の頃とまったくかわらない87歳のお母さんのマッサージは、自分の人生をやさしく包み込んでくれた・・・」

「私、人工呼吸器をつけて天井を見続けて生きる自信がないの・・お金もかかるしね。だからつけないでね」

毎日過ごしている何事もないことが、彼女の命のフィルターを通して鮮明に浮かび上がってきます。

53歳という同年代であるからこそ、彼女の発する言葉の意味がどの世代の人たちよりも、わかるのかもしれません。

これまで生きてきたこと、そして、これから生きていく人生のあり方を改めて考えさせてくれました。

ありがとう、まりあさん。

まりあさんの1周忌にまとめられた「まりあのニューヨーク~死ぬまでに会いたい人~」が朝日新聞出版から、発売されています。

彼女の最後のまでの日記が綴られた、まりあさんのブログタイトルは、「まりあの記憶」です。ご覧になってみてください。