肉親の死ほど心に重く、ツライものはありません。自分の心に、ぽっかり大きな穴が空いてしまい何をしても楽しくない日々が続きますよね。
時間がその悲しみを癒してくれ、49日、1周忌を過ぎると悲しみが思い出に変わり、新たなスタートをきることができます。
しかし、中には、その悲しみから立ち直ることができず、悩み続ける人がいます。このような状態を「複雑性悲嘆」というそうです。
複雑性悲嘆が長く続くと、体調不良やうつになってしまうため心のケアが必要とされています。
特に、とっても仲良しで、友達のようにいつも一緒にだった母親を亡くした女性に多く、なかなか立ち直ることができません。
いつしか食欲もなく、夜も眠れない状態となり、病院で薬を処方してもらう人もいるそうです。
死別後12ヶ月程度の経過後も激しい悲嘆の反応が持続し、日常生活にも支障をきたしている人を「複雑性悲嘆」とし、心理的なカウンセリングが必要といわれています。
複雑性悲嘆の人に有効なのは、認知行動療法といわれ、現在、国立精神・神経医療研究センターで「複雑性悲嘆のための心理療法(CGT)」として研究が進められています。
方法は、専門のセラピストと亡くなった人との記憶を思い出しながら一つひとつ整理していきます。
こうすることで、死の現実を受けとめ、悲しみを心の中から切り離すことができるようになるといいます。
ドイツでは、インターネットでのメールによるカウンセリングで効果を上げているそうです。
私は、母はまだ健在ですが、父が63才で亡くなりました。
父の死は、とても悲しくツライ現実でしたが、父の遺伝子は、自分の身体の中で生きていると思うことで、その悲しみを整理しました。
亡くなった方の分まで、しっかり生きることが亡くなった方への最大の供養になると考え生きています。
いつかは必ず訪れる肉親との別れ、歳を重ねるごとに、「生と死」の意味を自分の心で整理しておきたいですね。