日本人は、不安を抱えやすい国民だと言われています。就職難や経済の不透明度、年金が底をつくのでは?など世の中は不安要素で溢れかえっています。

そのなかでも、「お金」に対する不安はトップレベル。貯蓄がない人の不安は当然ですが、貯蓄がある人も先行きが見えないことから、不安を抱え、「お金を使えない」と言う人も多くいます。

そんな中、私たちの年代で一番の不安材料が老後の資金です。病気がちになり体力にも自信がなくなると、頼りになるのはお金です。

巷では、60歳時に準備しておくお金は、3000万円だと言われています。もし、退職金が2000万円あれば、退職までの間に1000万円~1500万円、準備しておけばいいですね。

しかし、これは、夫の厚生年金(16.7万円)、妻の国民年金(5.2万円)を毎月20年間受給した場合(5,256万円)です。

また、この計算は、85歳まで約25年間、1か月の生活が約25万円だと仮定して算出されています。

総務省「家計調査」によると、世帯主が60歳以上、無職世帯の1ヶ月の支出は下記のようになっています。各家庭の事情や、子供の教育費がかかるかかからないかによって違ってきますが、平均の金額です。これを基準にある程度推測できるかと思います。

25万円の内訳です(「家計調査年報」より)

食費 62,645円
住居費 15,413円
水道光熱費 20,323円
家具・家事用品 9,103円
被服等 8,292円
保健医療費 15,725円
交通・通信費 24,213円
教育・教養娯楽費 28,287円
こづかい 8,345円
交際費 32,652円
その他支出 22,321円
合計 247,319円

 

上記の金額がかかるとすると、夫婦が国民年金の場合、とてもとても足りません。そこで、貯蓄が必要となってくるわけですが、本当に、3000万円必要なのでしょうか?

3000万円では足りないと思う人、3000万円なんてとても準備できないと思う人、その方の事情によって違ってきますね。

生活水準によっても違ってきますが、必要以上の贅沢をしない場合、老後に本当に必要なお金はいくらなのでしょう。

たけしのニッポンのミカタでは、「老後を不自由なく暮らすために、本当に必要な資金とは?」のテーマに迫り、本当に必要な資金を公開します。ぜひ、参考にしたいですね。

番組では、老後のゆとりある資金は夫婦二人で1億円必要とありましたね。その根拠は・・・

経済評論家の平野和之さんによると、平均寿命が85歳と計算した時、年金生活は20年間になります。総務省によると、平均的な夫婦の月の生活費は、26万6千円。これにゆとりを持たせた場合は、38万円になるそうです。

ゆとりある生活を送るための資金が、月38万円×12ヶ月×20年=9120万円。リスクを想定した場合、1億円くらいあるとゆとりのある老後を送れるそうです。

しかし、1億円は、もらえる年金も含まれているので、その分を差し引いた金額を蓄えれば良いわけです。

一般的な家庭の場合、55歳夫婦で想定すると・・・夫の生涯平均年収は、420万円(厚生年金)妻が専業主婦の場合は、国民年金になりますので、受給開始が65歳とすると、毎月の夫婦ふたりの年金合計受給額は21万6000円になります。

この年金21万6000円を20年間受給されると、約5200万円になりますから、ゆとりある老後に必要なお金1億円から5200万円を引き、残り4800万円の貯蓄が必要ということになります。

それでは、4800万円の貯蓄がない人はどうするの?と言うと・・・

総務省が発表している平均家庭の支出「月26万6千円」を目処に生活すれば、20年の合計支出は約6400万円になりますので、6400万円から年金の5200万円を引くと、1200万円を貯めれば良いという事になります。

贅沢はできないけれど、夫婦二人で、月に26万6千円の生活を送れば、貯蓄は1200万円で良いということですね。

たとえ50歳の時点で貯蓄が「ゼロ」だとしても、毎年120万円貯金すれば10年間で貯めることができる額です。番組では、まずは、ここを目指すことを勧めていましたね。

最後に、たけしが「老後の不安を取り去る方法」として、「自分自信がお金の価値を持つ人になれば良い」とアドバイスしていました。

「リタイアしたら働くところなどない」、「リタイアしたらおしまい」と言う考えではなく、長年の技術、経験や趣味が、顔を出すことでお金になる生活を志すということですね。

これで、自分のお小遣いくらい自分で稼げれば、老後の不安などなくなるのでは?と提案していました。

確かにそうですね。そろそろ私たちは、自分たちの老後のあり方を真剣に考える時期に来ていると思います。