「しびれ」の代表といえば、正座ですね。法事などでも、しばらくすると足がじんじんしびれてきて立とう思っても立てなくなってしまいます。
これは一過性のものですので問題ありませんが、いつもしびれや麻痺が起こっていると、脳や末梢神経などの病気を疑うことになります。
しびれや麻痺は、大きくわけると脳や中枢神経が原因の「中枢性のしびれ」、脊髄神経が原因の「脊髄性のしびれ」、末梢神経が原因の「末梢神経性のしびれ」があります。
どこがしびれるのかや、いつしびれるのかなどが病気の原因特定には重要となります。
●腰痛の痛みチェック
①頭や顔がしびれるのか
②首や手のしびれるのか
③足がしびれるのか
④動いているときにしびれる
⑤安静にしていてもしびれる
⑥一過性のものか(2~3日)
⑦何度も繰り返すか
⑧どんどん強くなったり範囲が広がらないか
⑨1週間以上続いているか
「みんなの家庭の医学」(テレビ朝日)では、腰痛によるしびれや麻痺の原因を、日産厚生会玉川病院 整形外科の佐藤良治先生が、人体の神経マップを使いながらわかりやすく説明してくれました。
歩くと痛くなる腰痛の原因は、加齢ではなく足の血管の老化のせいとは何なのでしょうか。
腰痛の原因は血管に問題があった例
50歳の男性の場合、最初に歩いているとき重い痛みが走りました。その痛みは、数日たっても治らず、更に左側の足にもしびれがでるようになりました。
近所の整形外科に見てもらた最初の診断は、腰部脊椎管狭窄症でした。加齢などで腰椎を支えられなくなった腰椎が変形してしまう病気です。
血流を良くする薬と神経の修復を助けるビタミン剤を処方され飲み始めましたが、回復せず、足の痛みとしびれがどんどん強くなり、1ヶ月後には、歩けなくなりました。
再度MRIで検査しても同じ結果、神経ブロック注射をしましたが翌日には歩けないほどに・・。
奥さんが、セカンドオピニオンとして探しだしたのが、日産厚生会玉川病院 整形外科の佐藤良治先生。
先生は、腰痛、足の痛み、しびれの出方と神経の支配領域を照らし合わせ診断、さらに足の触診しながらチェックしました。
●名医の視点
①仙骨に狭窄がないのにふくらはぎや足の裏がしびれる
②左足の脈拍が弱い
③足を上げると左足だけ白くなる
●最終診断結果
閉塞性動脈硬化症でした。この病気は高カロリーの食生活や喫煙が原因で、足の血管の動脈硬化が進行し十分な血流が保てなくなってしまいます。
進行が進むと足の壊疽や潰瘍になり、最悪の場合切断の恐れがあります。歩くと足が痛くなり、だるさやしびれを感じるなど、脊椎管狭窄症と同じような症状を示します。
●治療
食生活の改善と投薬治療により、元気な生活を取り戻しました。
●神経の支配領域マップ
全身の神経は、神経分布として30の領域にわけることができます。全身の痛みの感覚を、脊椎のどの神経が支配しているかを、チェックすることで痛みの原因を探ります。
痛覚テストで、痛みの境界線を見つけ神経の痛み場所を特定していきます。