ガン治療と言えば、ガンを手術で取り除く、抗がん剤でガン細胞を死滅させる、放射線などが主流ですね。

ATR阻害薬

その中でもっとも一般的なのが、抗がん剤だと思いますが、この副作用に多くの人が苦しんでいます。

みなさんご存知の通り、抗がん剤はがん細胞を死滅させると同時に正常な細胞も破壊し、強い副作用をもたらします。

そのため、体力のない人や抗がん剤が合わない人は、抗がん剤だけで命を落とすケースがありました。

今まで、がん細胞のみピンポイントで攻撃する治療が待たれ、放射線治療などでは可能になってきました。

ところが、薬となるとなかなか思うような薬がなかったのですが、最近になってがん細胞のみを叩く新薬が開発されました。

それは、分子標的薬やホウ素化合物薬剤などです。

分子標的薬は、白血病の治療に、ホウ素化合物薬剤は脳腫瘍などに、とまだがんの種類が限られているようですが、これからは、いろいろなガンに対応してくると思われます。

ホウ素薬剤は、点滴で体の中に入れ、薬剤ががん細胞に集中して取り込まれます。そこに放射線を照射すると細胞1個分のレベルで核分裂をします。

つまり、ホウ素が取り込まれたがん細胞のみ攻撃をするため、正常細胞はまったく傷つけることがない夢の治療です。

このように色々な研究が進み、がん治療は新たなステージに突入しています。

今回、林修の今でしょ!講座で紹介された「ガン細胞をピンポイントで攻撃する新薬」は、分子標的薬とPD-1阻害薬です。

番組で紹介された分子標的薬とPD-1阻害薬

分子標的薬

分子標的薬は、がん細胞だけを攻撃する薬です。ピンポイントで攻撃できる理由は、がん細胞が出す特殊なシグナルを見極めることができるためです。

分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べると副作用がかなり少ないのが特徴ですが、全くないとは言えないそうです。

1つの分子標的薬が色々なガンに効くわけではなく、今のところ、白血病と乳がんに絞られています。分子標的薬は、2001年乳がんと白血病の薬として発売されていますが、現在も他のがんに適応する新薬を開発中だと言います。

PD-1阻害薬

PD-1阻害薬は、がん細胞を攻撃しないと言う特徴があります。え?なら効果がないのでは?と思いますが、新薬は発想の逆転がすごいのだと言います。

ガンが発症すると、がん細胞と仲良くなった免疫細胞はがん細胞の攻撃をとめてしまいます。

PD-1阻害薬は、がん細胞と免疫細胞との仲良くなった関係を断ち切る役割があります。

関係を断ち切ると、免疫細胞ががん細胞への攻撃を再開し、がんをやっつけると言うのがこの新薬のすごいところです。

この逆転の発想によるPD-1阻害薬は、どんなガンにも効く可能性があります。現在は、悪性黒色腫(皮膚がん)の適応症のみ販売されています。

PD-1阻害薬は、昨年発売されたばかりなので、副作用はこれから出る可能性がありますが、今のところ肺炎の副作用があると報告されています。

しかし、今後は他のがんにも適応される可能性が高いそうです。