最近、心臓の機能が衰えている「心不全予備軍」の人が増えていると言います。
心臓の機能が衰えていると、階段の上り下りでも息切れをし、疲れやすくなります。
心臓病治療・研究の第一人者 東京都健康長寿医療センターの原田和昌先生によると、心臓の衰えに一番注目されているのが「心臓に必要なエネルギー源」となる「栄養素」が足リていないと言うことが最近分かったと言います。
医学界が注目する心臓のエネルギー源となる栄養素
この栄養素とは、鉄分です。
鉄分が足りない人は、息切れしやすく心不全予備軍の可能性があります。
今まで、一度衰えた心臓の機能はたとえ薬でも回復することはできないと言うのが定説でしたが、鉄分を補うことで心機能がアップすると言うことが最近分かりました。
心臓の動きが悪い心不全の患者さん、息切れとかの症状のある人300人に、鉄分を1年間注射で投与し、心臓の機能を調べたところ心臓の機能が非常に良くなっていました。
この研究は、一昨年ヨーロッパ心臓学会で発表され、今後の心臓病の治療ガイドラインを書き換える可能性もあるそうです。
心臓を若返らせる鉄分たっぷりの奥園レシピ
心臓の機能を回復させるために必要な鉄分は、1日10mgが目安です。
鉄分10mgは、レバーなら77g、レバニラ炒め約1人前になります。ほうれん草で10mgの鉄分を取るにはおひたしなら14皿分になります。
レバニラを毎日食べ続けるのは結構大変。また、ほうれん草のおひたしを14皿食べ続けるのは不可能ですよね。
そこで、料理研究家 奥園壽子さんが鉄分が多くいつでも食べられる「常備菜」を考案してくれました。
常備菜なら作り置きできますから、忙しい主婦にはとても助かりますね。
切り干し大根と油揚げのゴマ和え
材料(3日分)
油揚げ 200g
切り干し大根 60g
えのき茸 400g
かつお節 20g
すりごま 大さじ8
生姜 2かけ
みりん 大さじ4
醤油 大さじ4
酢 大さじ4
水 100㏄
①切り干し大根(60g)は水で戻さずざっと洗う
②切り干し大根をハサミなどで小さめにカットする
③切り干し大根は水(100cc)に浸けて置く
④油揚げ(200g)を細切りにしフライパンで炒める
※この時、油は使わず油揚げの油だけで調理する
⑤えのき茸2袋(400g)を食べやすい大きさに切る
⑥油揚げを炒めたフライパンにえのき茸を加えて炒める
⑦そこに酢大さじ4を入れる
⑧醤油(大さじ4)、みりん(大さじ4)も加え
⑨切り干し大根を入れてざっと加熱する
※このとき、切り干し大根にはあまり火を入れ過ぎない様にする
⑩最後に、すりおろした生姜(2かけ)、鰹節(20g)、すりごま(大さじ8)を加える
酢を入れることで鉄分の吸収が良くなります。
これで、常備菜の出来上がりです。
この常備菜を1食あたり約140g(小皿1枚分)を毎食3回食べると、鉄分1日10mgがクリアできます。
ただ、おなじ常備菜を食べ続けるのは飽きてしまいますよね。
そこで、この常備菜をベースに様々な料理に使ってバリエーションを増やします。
例えば、「うどん」と「常備菜」にとろみをつけて「あんかけうどん」にします。これで、鉄分4mg摂れます。
小松菜と常備菜で、小松菜のおひたしにすると、鉄分3.4mg摂れます。
常備菜を色々な料理にアレンジして、鉄分1日10mg摂取を目指しましょう。