ラグビーの元日本代表、慶応大学ラグビー部元監督、フジテレビのキャスターとして活躍してきた、上田昭夫さんが7月23日、62歳の若さでお亡くなりになりました。
上田さんは、2007年8月より「スポーツひとりごと」というブログで8年間にわたり近況を綴っていました。
ブログの最後の記事は、2015年6月30日でした。
2015年06月30日
ああ・・・
先週の木曜日から体調が良くなく・・・。
気温の変化に体が対応出来ない。そこで、昨日から調整入院。
輸血をして、気温も安定。
楽になった。
(上田さんブログ「スポーツひとりごと」より)
160cmの小柄な体ながら、健康そのものだった、上田さんの命襲った病は、「全身性アミロイドーシス」という病気です。
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質が全身のいろいろな臓器に取り付いて、機能障害を起こす病気です。
全身の臓器で起こるものを「全身性アミロイドーシス」、一部の臓器に限定しておこるものを「限局性アミロイドーシス」といいます。
全身性アミロイドーシスは、いろいろな臓器にとりつき次々と症状をおこします。
心臓にアミロイドーシスがおこると心不全や不整脈に、腎臓におこるとネフローゼ症候群や腎不全を起こし、短い期間の間に命を奪う恐ろしい病気です。
限局性アミロイドーシスが脳で起こった場合、代表的な病気はアルツハイマー病です。
アミロイドーシスが発症する原因はよく解明されておらず、遺伝性のものと非遺伝性のものがあるそうです。
全身性アミロイドーシスの中で、ALアミロイドーシス、FAP、SSAと呼ばれるものは、特定疾患治療研究事業による医療費公費負担の対象疾患となっています。
診断は、直腸粘膜や皮下脂肪の生検により組織をとって調べアミロイドを特定するそうです。治療については、化学療法で行われますが、かなり難しい治療となるようです。
上田昭夫さんのご冥福をお祈り申し上げます。