めまいに悩む方は多いですが、あまりにも身近なことのためついそのままにしてしまいますよね。

中学生の頃は、朝礼になると誰かが必ずといっていいほど貧血になって保健室に連れていかれてたのを思いだします。

貧血性のめまいも成長期のものと違って、重大な病気が隠れていることが多いので注意する必要があります。

めまいの原因は、7割が耳が原因と言われており残り3割が、脳など他の要因から引き起こされているそうです。

めまいの女性

耳が原因のめまいは、横浜市立みなと赤十字病院の新井基洋先生が名医として知られ、めまい外来で脳を訓練することで改善することが知られています。

しかし、原因がよくわからないめまいはやっかいであらゆる角度から可能性を検討することになります。

そのような診断で力を発揮するのが、総合診療科です。

2年半の間、原因がわからないフワフワめまいに悩まされる27歳女性が、総合診療科の名医、三重大学病院 竹村洋典先生のもとを訪れ、その診断を受けました。

2015年5月19日放送の「めまいの原因チャートで難解な原因を究明」はこちらの記事で、「原因不明の足のむくみはリンパ浮腫」はこちらの記事で紹介しています。

めまいの原因は、耳、自律神経、脳、精神的なもの

先生は、めまいの原因として、詳しく問診した後、以下の原因を疑い診断を始めました。
①耳の病気
②自律神経の病気
③脳の病気
④その他

●耳の病気のチェック
目をつぶってその場で足踏みテストをします。
足踏みテストは、視覚情報に頼らず、三半規管からの情報だけで平衡感覚を保てるかどうかを確認します。

めまいが起きない場合には、耳の病気ではありません。

●自律神経の病気
寝たときの血圧と、起きた時の血圧を測り、交感神経の状態を疑います。

自律神経の病気としては、多発神経炎、パーキンソン病などがあります。

●脳の病気
前進、Uターンを繰り返し歩く状態を確認しながら、脳の可能性を疑います。

彼女の場合には、そのいずれでも、めまい症状が現れませんでした。そこで、先生は彼女の呼吸に注目し、1分間深呼吸を繰り返させました。

その結果、フワフワめまいが再現されました。彼女のめまいの原因は、過換気症候群によるめまいでした。

過換気症候群は、不安やストレスが原因で、呼吸が早く浅くなってしまう状態です。

息を吐きすぎてしまい、血管内の二酸化炭素が過剰に排出されてしまい血管が収縮して脳の血流量が減少し、めまいを発生させていたのでした。

ストレスや不安になりやすい人が、起こりやすいそうです。フワフワしてきたら呼吸を正しくすることで症状が改善するそうです。

抗不安薬を処方してもらい、原因不明のめまいの解決の糸口が見つかった彼女は、本当に明るくなってました。

めまいは、あまり重要な病気を思われず、ともすれば軽視されがちです。

でも、なっている本人にとっては、日常生活ができなくなるほど辛く苦しいものです。

原因がよくわからず悩んでいる方は、ぜひ総合診療科を訪れ受診してみてくださいね。